ジュビロ磐田が乗ってきた。アウェーでベガルタ仙台を3-0で下し、今季初の連勝を飾った。後半11分、MF松浦拓弥(29)の2戦連発弾で先制。DF小川大貴(26)がJ1初得点、今季から加入のMF田口泰士(27)も移籍後初得点で続いた。守備陣2試合連続無失点で、チームは11位から暫定8位に浮上した。

 仙台の本拠地ユアスタが、サックスブルーの歓喜に揺れた。磐田サポーターが待ち望んでいた光景が、目の前に何度も広がった。

 後半11分。MF松浦が、こぼれ球を左足で押し込んだ。今季、チームが敵地で初めて奪った1点からラッシュが始まった。同13分にDF小川大が、カットインから左足を振り抜き、J1初ゴールを豪快に決めた。同37分には、MF中村俊輔(39)が放ったFKをMF田口が頭で合わせ、移籍後初得点をマークした。

 MFアダイウトン(27)とMFムサエフ(29)が長期離脱する中、今季最多3得点での完封勝利。名波浩監督(45)は、その重みを口にした。

 「前線、中盤で重要なキーとなる選手がいない中、今は『自分たちの形を見いだしたい』ともがいてる最中。ここで3点を取ったことは非常に良かった」

 チーム内の「競争」が生んだ結果だった。名波監督が「(チームにとって)より良い選択をする中でメンバーを代えている」と話す通り、開幕戦では主力候補として名古屋から獲得した田口を控えにした。前節ホーム鳥栖戦では、先発4人を入れ替えた。2戦連発で起用に応えた松浦も「先発、控えは関係ない。毎日が競争。みんなが貪欲に結果を残そうと、良い争いができていると思う」と言った。この激しい先発争いが、相乗効果を生んでいる。

 今季初の連勝で、順位は暫定で8位に浮上。田口は「チームにとってすごく大きな自信になる」。松浦も「もっと良くなるように、この勝ちを次につなげたい」と声を弾ませた。次節は25日のホーム長崎戦。勝てば、今季の目標「5位以内」が視野に入る。【前田和哉】