J2アルビレックス新潟のDF富沢清太郎(36)が、右ひざの負傷から14日の練習に完全復帰した。非公開練習の翌4日から別メニュー調整していた。4連敗中のリーグ戦は4試合で13失点。今季はリーグ18試合にフル出場しているベテランが、ほころんだ守備網の修復に強い意欲を見せた。

 DF富沢が、負傷の跡を感じさせない激しい動きをピッチで見せた。ハーフピッチのサイドラインに、クロスを上げる選手を4人配して繰り広げた7対7のゲーム形式。全体練習に復帰したばかりだが、マーカーにガツガツ当たり、ボールに右足を投げ出した。「相当、厳しい状況。だからこそ強い気持ちで。やるっきゃない、という感じ」とベテランは言った。

 リーグ戦は4連敗中。4試合で通算13失点。「失点すると、メンタル的な回復が難しい状況になる」と富沢はチームの傾向を話した。ゲーム中にそんな状況に陥らないためにも、陥った場合の立て直しのためにも、ベテランのパワーは必要になるはず。負傷前の第22節松本山雅FC戦(7月7日)以降、出場機会はないものの、熱いハートを失っていなかった。「何よりも戦う気持ち。不格好でも勝ち点3を取らなければ」と話した。

 指揮を執る片渕浩一郎ヘッドコーチ(43)は、富沢の完全復帰を歓迎した。「富沢が(競争の)テーブルに上がってくれて、うれしい」と言った。現在、勝ち点29で19位、降格圏の21位ロアッソ熊本とは勝ち点差わずか6だ。富沢はチームの現状と置かれた立場をこう話した。「復帰したばかりだから(試合に)出られるか、出られないか分からないが、みんなでどうにかしよう、という状況」。チームの危機にベテランが立ち上がる。【涌井幹雄】