打てども打てども、点が入らない。そんな嫌なムードを振り払ったのが、鹿島アントラーズのブラジル人助っ人2人だった。

後半15分にMFレオ・シルバが、のどのつかえを取る先制のボレーシュートを右足で決めれば、後半27分には新加入のMFセルジーニョが目の覚めるような強烈なミドルシュートで追加点。「持った瞬間、打とうと決めていた。蹴った瞬間に入ると思った。GKから逃げていく形。狙った通りに蹴れた」と来日初ゴールを喜んだ。

ブラジル人2人にとって、スタンドには意識する“目”があった。ジーコ・テクニカルディレクター(TD)の御前試合。セルジーニョは、ジーコTDの声掛けで鹿島への移籍を即決した経緯を持つ。そのまじめな新外国人は「真摯(しんし)に練習に取り組んだ成果が、大事なACLで取れたんじゃないか」と喜んだ。

前半戦は細かなけがもあって調子を崩していたレオ・シルバも、ジーコの来日に合うように調子を上げてきた。「それは偶然」と笑いながらも「長くいてくれたらいいな」。

“神様”の前で、2人の活躍で、初の4強に向けて、鹿島が大きく前進した。