川崎フロンターレがV・ファーレン長崎を2-1で下した。首位サンフレッチェ広島が敗れたため、川崎Fが勝ち点差で並び、得失点差で首位に浮上した。

25日の湘南ベルマーレ戦で決定機を外した2人のFWが、チームを首位に導いた。この日は、湘南戦でPKを止められたFW小林悠(31)と、フリーの決定機を相手GKに阻まれたFW知念慶(23)が2トップ。ボランチはMF中村憲剛(37)とMF大島僚太(25)がコンビを組んだ。

前半35分、右コーナーキックからMF中村のキックをFW小林がニアで頭で落とし、FW知念が右足で流し込み先制。セットプレーからの得点は、PKと直接FKをのぞけば、3月18日の第4節名古屋戦以来。5バックで引く相手に、狙い通りのセットプレーで先制した。同41分には、エースFW小林がMF家長のシュートのこぼれ球を押し込んだ。

1得点1アシストの小林は「オニさん(鬼木監督)が、自分と知念を2トップにしたことで、お前ら、点を取ってこいとのメッセージだったと思う。しっかり結果を出せて良かったと思います」と振り返った。PKの失敗は、湘南戦翌日にはきっぱりと切り替えていた。試合前のミーティングで、鬼木監督は広島の敗戦を伝えていた。「自分にプレッシャーをかけて、勝てば首位だと臨みました」。昨季同様、失敗直後の試合で決めるのはさすがエース。「挽回したいという気持ちはありますけど、自分の中では毎試合、100%でやっている結果。続けているだけのことなので。外すこともあるし決めることもあるので。その日は反省して自分を責めて悔しく思いますけど、次の日から前を向いてますし。引きずらないことがFWとして一番大事」と冷静だった。

ちなみに、知念は昨晩、深夜0時に眠りにつき、昼食時間になっても起きて来ず、昼の2時まで熟睡していたという。休息をしっかり取った知念も、前節の悔しさを結果で晴らした。知念は「悔しい思いを絶対返そうと思っていた。前回の試合は完全に忘れて、前を向こうと思っていた。メンタルが強くなった。それが結果につながったのが個人的に嬉しい」と手ごたえを口にした。

5月に広島と最大13差離されたが、勝ち点で並び得失点差で首位に立った。小林は「前回王者のプライドもあるし、絶対に渡したくない場所。これからも隙を見せず、1戦1戦、しっかりと戦っていきたい」と力強かった。