J内定者2人を擁する前橋育英は、試合巧者・尚志に敗れて大会連覇ならなかった。前半はスコアレスで折り返したが、後半9分、11分と立て続けに失点。同33分には一矢報いたが同点には追いつけず、前年度王者は3回戦敗退となった。

J2新潟内定のMF秋山裕紀(3年)は試合後、「2点目の失点が早すぎた。キャプテンとしてチームに声をかけるべきだった」と唇をかんだ。前年度王者のプレッシャーがある中で臨んだ選手権。それは選手、スタッフ共通のものだったといい、「全国の舞台でプレッシャーに負けてしまったのは、自分たちの実力がなかった」と声を落とした。

前年度大会決勝でチームを全国優勝に導く決勝点を奪ったJ1松本内定のFW榎本樹(3年)は、得点王を目指すと公言していただけに「今大会は悔しさが残った」と話した。「すぐには切り替えられないと思うけど、この悔しさをプロに生かせたら」と前を向いた。

山田耕介監督も秋山同様、「2点目が大きかった。なんとか1点でやれていたら」と、立て続けの失点で試合の流れが変わってしまったことを敗因にあげた。尚志を「全員の守備意識が高い。ハードワークもできて、基本に忠実にできるチーム」と評価し、「そんなにうまくいかないのがサッカー。毎年優勝できればいいけど、まだ力がないということ」と負けを認めた。