J2アルビレックス新潟のルーキーMF本間至恩(18=新潟U-18)が開幕ベンチ入りをアピールした。2本目の16分から出場すると、持ち味のドリブルでチャンスメーク。オフサイドの判定だったが、ゴールネットを揺らす場面もつくり、即戦力ぶりをみせつけた。試合は0-1で敗れた。

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ゴールに向かうプレーに本間は徹した。2本目の開始16分、MFシルビーニョ(28)に代わってピッチに入ると、すぐさま持ち味を発揮。左サイドバックのDF渡辺泰基(19)との連係から、スピードに乗ったドリブルで突破をみせる。その後はドリブルで中央に切れ込んでミドルを1本放つ。

ネットも揺らした。2本目の40分には中央からのフリーキックをDFパウロン(29)が落としたボールに反応し、右足でマウスに蹴りこむ。判定はオフサイドで得点にはならなかったが、切れのある動きを随所で披露した。「攻撃は迷わないでプレーできた」。この日の戦術は守備を固めて相手を引き込み、カウンターを仕掛けるもの。ボールを奪った瞬間、本間がスイッチ役になり、フィニッシュにも絡んだ。

もっとも片渕浩一郎監督(43)は「あの時間帯から出場して得点ゼロ。求めているのはゴール」と厳しい。それは期待の裏返し。「ドリブルで相手を振り切るのは、あいつなら当たり前」。新潟U-18に所属し、2種登録だった昨年9月の金沢戦で、後半途中からリーグ戦初出場。そして決勝ゴールを決めた。ルーキーながら短時間で結果を出すプレーを期待されている。

本間もそれは自覚している。「プロである以上試合に出なければならない。そして結果を出さないと」。高知でキャンプ中。昨季も参加しているが、プロとしては今回が初。それでも緊張はない。「いつも通りです。食事も取れている」。疲労から食欲が落ちたり、体調を崩すようなこともなく過ごしている。

「自分のプレーで観客を沸かせる選手になりたい。もちろん開幕から試合に出たい」。目標への手ごたえを着実につかんでいる。【斎藤慎一郎】

○…新潟は、バスで2時間30分かけてキャンプ地の高知から岡山に乗り込んだ。1月16日からキャンプが始まり、3週間以上と疲労もたまっている。片渕監督は「疲労、体調を考慮して戦術を決めた」。この日は守備を固めてカウンターを狙った。3本目に1点を失ったが、1、2本目の90分間は無失点。「守備は大崩れしなかった」。一方、「カウンターで得点できなかったのは課題」と言う。主戦法の前線からのプレス以外の戦い方にも磨きをかけている。

○…今季の主将を務めるMF加藤大(27)はボランチで90分間出場した。高知キャンプに入ってから初のフル出場に「体は動いていた。疲労もない。まだまだいける」。この日の走行距離は12・5キロ。豊富な運動量は健在だ。局面ごとにチームメートに指示を出すなど、主将としての存在感も増してきた。「もっとスムーズにプレーできるように」とチーム全体に目配りをしていた。