北海道コンサドーレ札幌は8日、沖縄・金武町でJ2東京Vと練習試合(45分×3)を行い、5-1で勝利した。

3本目では、FW岩崎悠人(20)が初めて1トップでプレーし、得点も決めた。故障者や出場停止者が出た場合に備える試験的布陣だが、チームとしても個人としても新たな可能性を広げた。

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札幌が新たな攻撃オプションを試した。東京Vとの練習試合3本目。ここまでシャドー(1・5列目)での出場を続けてきた新加入の岩崎が、初めて1トップに入った。27分、左からのクロスをMF檀崎が落とし、その岩崎がゴールに押し込んだ。「得点が欲しかったので点を取れて、そこは良かった」。5日名古屋戦から2試合連続ゴール。最前線で起用され、持ち前の決定力を見せつけた。

1トップの開幕スタメンを争っているFWジェイ(190センチ)、鈴木(185センチ)とは高さ、タイプが違う岩崎(172センチ)だが、昨季の京都では2トップの一角で起用されており、得点力は武器。長いシーズン、故障者や出場停止でベスト布陣を組めないことも想定した中でのテストではあるが、練習でトップの位置に入ることもあるFWアンデルソン・ロペス(185センチ)を含めた3人とはまた違う、攻撃バリエーションの可能性を示した。

1トップ起用にはもうひとつの狙いもありそう。「少しびっくりした」と驚いてピッチに立った岩崎だが、試合後は「難しかった。後ろと全然目が合わなくて」と連係面に苦しんだことを明かした。「シャドーが1トップを意識することで1トップが生きる」。この日の45分の経験が、今後シャドーとしてのプレーにも生きてきそうだ。

U-21日本代表でもシャドーを務める岩崎。MFチャナティップ、アンデルソン・ロペスらと定位置を争っているが、さらに1トップでのオプションも確立されれば、個人的にはもちろん、チームにとってもレベルアップとなる。【保坂果那】