J1ベガルタ仙台の新加入MF兵藤慎剛(33)が、チームにくすぶる横浜F.マリノスへの苦手意識を完全払拭(ふっしょく)する。チームは26日、仙台市紫山サッカー場で3月2日のアウェー横浜戦へ向け練習を再開した。08年から9年間も横浜に在籍した兵藤は、昨季2戦ともに大敗を喫した古巣対策に言及。相手3ボランチを形成するMF天野純(27)、喜田拓也(24)、三好康児(21)の若手中盤トリオの封じ込めに意欲を見せた。横浜を知り尽くすベテランが、雪辱の旗頭となる。

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誰よりも横浜を知り尽くす兵藤が、若手中盤トリオを警戒した。天野、喜田は横浜時代の後輩に当たり、三好とは昨年まで北海道コンサドーレ札幌でプレーした旧知の仲。かわいい後輩3人との対戦を心待ちにしている。

兵藤 コウジ(三好)とアマジュン(天野)は左利きで決定的な仕事ができるタイプで、喜田は後ろでゲームを作ったりつぶしたりするタイプ。危険なプレーをさせないように動きを制限することが大事かなと思うし、しっかりした守備をすれば簡単には崩されない。マッチアップする機会が多くなるので、個人的には負けないようにすることが大事ですが、楽しみでもあります。仙台はマリノスに対して嫌なイメージを持っているかもしれないが、昨年と今年は違うし苦手意識持たずに戦えれば。

開幕戦を先発ボランチで出場し、完封劇に貢献。天皇杯決勝で勝ち越しゴールを許した浦和レッズMF宇賀神のミドルを体を張って空中で阻止するなど、安定した守備力を発揮した。

兵藤 あそこでミドルシュートを打たれたら入っちゃう。セカンドボールは意識していたので、相手より先に自分がボールを触れるとは思っていた。守備では行けるときには行って、行けないときには全員でセットする、そのイメージはできていた。開幕戦ということで、個々の球際や体を張るところで安定していたから相手に隙を与えなかった。この守備をベースに最低限のラインとして戦いたい。

若手中盤トリオの平均年齢は24歳。コンビを組む富田晋伍(32)とは同じ30代、ベテランの域に入る。

兵藤 チャレンジすればまだまだ可能性を広げられると思っている。若い選手の可能性に負けない何かを出し、しっかりとしたプレーでアピールしたい。まだまだやれる姿を見せたい。

熟練の技量で、鬼門突破を目指す。【下田雄一】