ガンバ大阪の韓国代表FWファン・ウィジョ(26)が今季初得点で初勝利を決定づけた。

アウェー清水エスパルス戦は、1-1で迎えた後半に3得点し4-2で快勝。2点リードの後半28分、パスをカットしたDFオ・ジェソクからボールを受けたファンが、狭いニアサイドを豪快にぶち抜き、ダメ押し点をあげた。

開幕戦で負傷した右足でのシュート。ファンは力強く振り抜いた。

「ジェソクさんからいいパスが来て、イメージして打った。まだ足は完璧な状態ではないけど、打った瞬間は痛みを忘れて。練習中でも決めていたコースだったし、完璧ではなかったけど、決められて良かった」

昨季16得点の大黒柱が今季2試合目で1号。その前、後半13分にはFWアデミウソンの勝ち越し弾をアシストしていた。相手DFを抜いて折り返しの優しいパス。「アデ(ミウソン)とはいい連係を作れていたけど、なかなか試合に生かせていなかった。組織をコンパクトにして距離感を縮められた」。横浜との開幕戦では「遅攻」と「速攻」の使い分けに苦戦したが、前への意識を強め、1週間で修正してきた。

宮本監督も「落ち着いて(ボールを)動かそうとしていた」。2トップの躍動で初白星をたぐり寄せた。

不敗神話も継続した。宮本監督就任後、ファンが得点すればJ1で8試合負けなし。代表戦を含めると現在15試合負けなし(1引き分け)。「勝利もゴールもとれてこれからがスタート」と気を引き締める。

1月はアジア杯に出場し、全5試合に先発。アジアの主砲として成長を続ける。G大阪には加入3年目。通訳はいるが、日本語も上達し日常会話は問題ない。ピッチ内外で勤勉なエースは、今季も得点量産も予感させる。チームは課題も残るが、MF遠藤が「勝ちながら成長したい」と話すように、1歩ずつ理想に近づけていく。【小杉舞】