桜の開花とともに、ベガルタ仙台にもようやく春が訪れた。J1仙台がサガン鳥栖に3-0で快勝し、開幕から6戦目にして今季リーグ戦初白星を挙げた。

新加入のMF吉尾海夏(20)が2得点に絡む活躍を見せ、リーグ戦今季初となる複数得点と攻撃を活性化させた。立ち上がりから積極的にボールを追って主導権を握ると、初のキャプテンマークを巻いたGKシュミット・ダニエル(27)を中心に堅守でゴールを死守。初の完封勝利で最下位から脱出し、16位に浮上した。

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新加入のレフティー吉尾が、暗く長いトンネルを左足でこじ開けた。前半15分、右サイドのMF蜂須賀孝治(28)のスルーパスに反応すると、ターンして持ち替えた左足を一閃(いっせん)。ゴール中央で構えるFWジャーメイン良(23)の頭にピタリと合わせ、先制ゴールを演出した。うれしいリーグ戦初アシストに「相手のサイドバックの後ろが空くことは分かっていた。そこを狙うタイミングをうかがっていたら、ハチ君がボールを入れるだけのいい形がつくれて、いいボールを入れられた」と振り返った。

後半にも、横浜時代の先輩MF兵藤慎剛(33)の移籍初ゴールを「アシスト」した。同9分、ゴール中央付近から左足で放ったシュートがポストに跳ね返り、詰めていた兵藤に当たって貴重な追加点を奪った。「あれは自分が決めなくてはいけなかった。ヒョウさんが詰めていてゴールになりましたが悔しいシーン。たかが1アシストで満足はせず、ここから逆襲して早く1点取りたいです」。

リーグ戦では「悪くないけど勝てないよね」と悪循環が続いていた。システムを3-4-3から3-5-2に変更し、不動のセンターバックで主将のDF大岩一貴(29)に代わって、21歳の常田克人を先発起用するなどテコ入れ。練習前には全員で円陣を組んで一体感を高めるなど、背水の陣で臨んだ。

渡辺晋監督(45)は「選手が自発的に状況を変えていこうという気持ちで戦い、立ち上がりから相手に襲い掛かれた。年度が変わり、仙台の桜もようやく開花して、新年号も発表された中で再出発することができた。これに満足せずにいい準備をして、勝ち点3を積み上げていきたい」。長いトンネルを脱した喜びに浸りながら、反転攻勢に打って出る。【下田雄一】

◆FWジャーメイン良(リーグ戦で今季初ゴール)「リーグ戦ではゴールを取れていなかったので、すごくうれしかったが、まだ1点という気持ちが強い。その気持ちを切らさずに有効活用していきたい」

◆MF兵藤慎剛(移籍後初ゴールに)「ゴールに向かって走っていたら、目の前にこぼれてきた。ラッキーゴールでも1点は1点なので、これからもそういう立ち位置にいてゴールを決められれば」

◆DF常田克人(21=今季リーグ戦初出場初先発)「チームが勝てていない中で、自分が入ったら何ができるかを示したかった。監督や仲間に伝えることが90分間できたゲームだったと思います」