連敗ストップ。リーグ戦3連敗中だった北海道コンサドーレ札幌はセレッソ大阪に1-0で勝ち、4試合ぶり白星をつかんだ。後半35分、右CKからDF進藤亮佑(22)がヘディングで今季初得点をマークし決勝点となった。1カ月ぶりの公式戦勝利を挙げた10日ルヴァン杯湘南戦に投入した4選手を、中2日で先発起用したミハイロ・ペトロビッチ監督(61)の選手への巧みなメンタルコントロールが奏功した。

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札幌の連敗が止まった。試合後、3月9日ホーム清水エスパルス戦以来の笑顔がチームに広がった。敗れた3試合は前半で2失点以上を喫していたが、両チーム無得点での折り返し。ペトロビッチ監督は「選手たちは立ち上がりから何が何でも勝つという姿勢を見せてくれた」。センターバックにDFキムを起用し、開幕から同位置を任せていたMF宮沢をボランチに入れた。安定した守備で、連敗中と違った試合展開で迎えた後半35分。右CKでDF福森のクロスを、ファーサイドの進藤が頭で合わせた。ゴール手前で弾んだボールは、ラインを割った。待望の先制点。この1点を守り抜き、勝ち点3を手にした。

指揮官が連敗から脱するために講じた策は成功した。前節6日大分トリニータ戦スタメンのFW鈴木ら4選手を10日のルヴァン杯湘南ベルマーレ戦で先発起用し、さらにこの日も先発で送り出した。ルヴァン杯で1カ月も遠のいた公式戦勝利を味合わせ、チームの流れを変える。負けられない今節を中2日で迎えさせる“賭け”ではあった。だが「球際や走り勝つ部分で相手より勝れば、自分たちはいい試合ができる」と鈴木。チームとして取り組むサッカーは決して間違っていないと再認識させた。

札幌の監督に就任して2年目で初の3連敗に、プレッシャーを感じずにはいられなかった。選手も同じ思い。だからこそ、前日12日のミーティングでも、あえて気負わせることはしなかった。進藤は「変わったことは言ってなかった」と振り返り、「それがメッセージだと思う。変わらずに、自信を持って楽しんでやっていこうというのは、(年間)34回のミーティングで毎回言っていること」と受け止めていた。

次節は平成最後のホーム戦。自信を取り戻したチームは、堂々と横浜を迎え撃ち、連勝の流れを引き寄せる。【保坂果那】