1次リーグH組の川崎フロンターレはホームで蔚山(韓国)と痛い引き分けに終わった。

エースで主将のFW小林悠(31)の今季初ゴールで先制も、セットプレーとスローインから安易に2失点。後半に猛攻を仕掛け終盤に、FW知念の公式戦5戦連続弾で追いつくも、勝ち越すことはできなかった。勝ち点1に終わったが、川崎Fらしい迫力ある攻撃が戻り、残り2戦に1次リーグ突破をかける。

平成最後のホームの試合を白星で飾れなかったが、エースに待望の1発が生まれた。前半8分、小林はMF大島のスルーパスに抜け出し、トラップするとすぐ右足を振り抜いた。視察した日本代表の森保監督が「お手本のよう」と絶賛した技術を駆使し、公式戦13戦目にして今季初得点。小林は「どうしても結果がほしかった。点を取れない時も家族やサポーターがすごく応援してくれていた。勝てなかったですけど、個人的にはちょっとほっとしています」と振り返った。

今季はチームで得点力不足に苦しんでいたが、試合終盤は相手を圧倒しJ1リーグ戦を最多得点で優勝した昨季の姿が戻ってきた。小林は「同点で言うのもなんですが」と前置きした上で「点が取れそうだなというサッカーはできている。それが戻ってきただけでも前とは違う」と手ごたえを口にした。悔やまれる安易な失点で勝ち点3は逃したが小林は「隙を突かれたらやられる。この教訓を生かして、しっかり勝つこと。そこだけに専念したい」と残り2試合での巻き返しを誓った。【岩田千代巳】