令和初の大阪ダービーはガンバ大阪が制した。後半10分にMF倉田秋(30)が決めたゴールを守りきり、1-0でC大阪に勝利。8試合ぶりの勝利で、クラブワーストを更新していた開幕からホームで勝ちなしも6試合で止めた。

まだ14位低迷も、大阪ダービー4連勝の勢いで一気に浮上を狙う。

敵将のC大阪ロティーナ監督が「素晴らしい1点が決まった」と絶賛した。0-0の後半10分、G大阪MF倉田が令和初ダービー「主役弾」を決めた。MF高江からの折り返しを受け、迷いなく右足を振り抜く。「良かった。マジで」というゴールが突き刺さった。

7戦勝ちなしと降格圏をさまよう中で迎えたダービーだった。特に前節は最下位の鳥栖に1-3完敗。倉田は「正直、ダメージがあった」と振り返る。宮本監督は思いきって動いた。DF高尾と福田は今季リーグ戦初出場初先発。アシストを決めた高江も、今季2試合目の出場で初先発だった。「流れを変えるために若手を起用した。想像以上にしっかりやってくれた」と指揮官。倉田も「若手が躍動してくれた。これから(の戦い)に大きい」とフレッシュな力に押された。

経験の少ない若手を使い、システムも変えた。遠藤、今野のベテランはベンチスタート。ある意味バクチ的な戦いの中で、倉田は「自分が引っ張っていかなあかん」と決意を固めた。運動量を多くし、チャンスを求めた。「ダービーは勢いに乗ったもん勝ち」と話していた。その最もほしい先手を奪い取った。

ダービーは特別な力が働く。「(サポーターが)これだけの雰囲気をつくってくれる。(アドレナリンが)出ない方がおかしい」と倉田。思いは全員が共有。試合後のロッカー室で「みんな爆発していた」と倉田は証言した。とはいえ、まだ14位に低迷している。「我々の状況において勝ち点3は重要だが、継続していかないといけない」と宮本監督は冷静に言った。ダービーの熱を、反攻の始まりにする。【実藤健一】