清水エスパルスは1-1で松本山雅FCと引き分けた。PKで失点するも、後半33分にFWドウグラス(31)がPKで同点弾。助っ人の3戦連発弾で勝ち点1を得た。

清水の絶対的エースがまたもチームを救った。1点を追う後半32分、DF二見宏志(27)のスルーパスに抜け出したドウグラスがPKを獲得した。「GKが出てくるのは見えていた」。同33分、自ら獲得したPKのキッカーを務め、強烈な左足でゴール右上に突き刺し、同点。昨年7月の加入後初のリーグ3戦連発弾で勝ち点1を呼び込んだ。

今季リーグ戦初ゴールを挙げた大分戦(5月18日)もPKだった。狙ったコースは大分戦とは逆で、キックの質も変えていた。ドウグラスは「毎回蹴るコースが同じだと相手に分析されている。今日はできるだけ強く蹴ることを意識した」。勝敗を左右する緊張感の中でも冷静に判断。点取り屋としての嗅覚も戻ってきた。

今季は開幕前に不整脈が発覚。約2カ月間離脱するも、徐々にコンディションを上げてきた。状態も「ほぼ完璧」。90分間の走行距離は前節仙台戦に続き、この日もチームトップ(10・95キロ)。篠田善之監督(47)が求める前線からの積極的な守備も怠らず、チームに貢献している。

「勝ち点3がほしかったけれど、引き分けにできたことはよかった」。頼れるブラジル人助っ人の復調も重なり、監督交代後のチームは公式戦4戦負けなし(2勝2分け)。順位は最下位に転落したが、浮上の兆しは見えている。ドウグラスは「リーグ中断後の試合はホーム。必ず勝ちたい」。負けない力がついてきたチームを、エースがさらに押し上げていく。【神谷亮磨】