モンテディオ山形が初対戦の鹿児島ユナイテッドFCに苦しみながらも1-0で競り勝ち、今季3度目の首位に浮上した。

前半早々、FWジェフェルソン・バイアーノ(24)が先制ゴール。相手に倍近い13本のシュートを許したが虎の子の1点を死守し、持ち味の堅守で逃げきった。5月以降は6戦無敗で無失点試合も9に伸ばし、来週から上位陣との4連戦に臨む。

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山形の大砲が3試合ぶりの勝利をもたらした。前半6分、GK櫛引のスローインから始まった攻撃で、FWバイアーノが自ら仕掛けFKを得た。キッカーのMF中村がピンポイントのボールを送ると、186センチの大柄ストライカーは相手GKが1歩も動けない完璧なヘディング弾をゴール左隅に突き刺した。今季5点目は貴重な先制点。その後も厳しいマークを受けながらも貪欲にゴールを狙った。「いつも練習でセットプレーを大事にしている。(相手DFと)逆のポジショニングができて、コースも狙った」と満足そうに話した。

ただ、ホームで試合を支配できなかった。シュートは山形の7本に対し、ブービー21位の初昇格チームに13本を浴び、あわやというシーンを何度もつくられた。セットプレーから追加点を奪うチャンスもあったが、追加点が遠く、ゲームを難しくした。鹿児島の金監督が「悪くない試合だった」と総括したように、後半の終わりは防戦一方の展開に。それでも全員が体を張って何とか耐えた。守備の要のDF栗山は「勝った気がしないし、運が良かった。もっと自分たちの時間をつくれた。守備陣はもう少し前から受け止めないといけない」と険しい表情だった。

木山監督は「どんな展開になるのか予想するのが難しかった。ボールを動かすのがうまい相手。仮に持たれても我慢してと考えていた。しっかり守れたのは良かった。ホームで自分たちの戦うベースを出しながら、勝ち点3を取れたのは満足感がある」と、J2トップの9勝目を評価した。次節から3位甲府、2位水戸、6位長崎、7位柏との上位決戦を控える。J1昇格へ絶対に負けられない4連戦で、「死の6月」を乗り越えた先に、5年ぶり昇格の道筋も見えてくる。バイアーノは8日のアウェー甲府戦について、「すごくタフで難しい試合になる。自分たちはJ2優勝をして昇格を狙っているので、アウェーでも勝ち点3を取りたい」と闘志を燃やし、ゴール量産へ照準を合わせた。【山田愛斗】