20年東京五輪世代の横浜F・マリノスFW遠藤渓太(21)が、ホーム浦和レッズ戦で今季初ゴールを決め、チームの勝利を呼び込んだ。

前半38分、左よりの位置でDFティーラトンのパスを受けると、体を反転させてDF岩波をかわしペナルティーエリア内へ。そのまま左足を振り抜き、ゴール右隅を射抜いた。前半から押し込む展開の中で欲しかった1発は、チームを波に乗せる先制点だった。

攻撃サッカーを掲げるポステコグルー監督が就任した昨季、潜在能力が大きく引き出された。J1での出場は17年の14試合から27試合に増え、2得点。ルヴァン杯では決勝進出に貢献した。しかし、負傷の影響で決勝には出場できず、チームも準優勝。ニューヒーロー賞にも選ばれたが「ふがいなさを感じた」と、手応えとともに糧を得た。

南米選手権は1クラブから日本代表の選出は1人という目安もあり、出場はかなわなかった。一方、同大会に参加しない五輪世代が同時期に出場したトゥーロン国際(フランス)も選ばれなかった。5月31日の第14節湘南戦後には「自分にとっては悔しい」と漏らした。

ブラジルの地では、チームメートのMF三好が強豪ウルグアイから2得点とブレーク。トゥーロン組も初の決勝進出でブラジルとPK戦にもつれる激戦を演じるなど気を吐いた。17年のU-20W杯韓国大会から昨年8月のジャカルタ・アジア大会など継続的に五輪世代の代表に選出され続けてきた遠藤にも、五輪切符の可能性はまだ十分にある。「マリノスで結果を残すことが東京五輪にもつながる」。名門復活を告げる04年以来のリーグ優勝を横浜にもたらすことが、自身の未来をも切り開く。【岡崎悠利】