イングランド2部リーズから1年半ぶりにG大阪に復帰した元日本代表MF井手口陽介(22)が、ホーム広島戦の後半35分から再デビューした。

直後の同44分にMF倉田が先制ゴールも、ロスタイムに追いつかれて1-1で復帰戦を白星で飾れなかった。3試合連続のドロー。それでも5日に復帰が発表されたばかりの井手口の存在は心強い。残り12試合、現在の12位から上位浮上への切り札になりたい。

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緊迫した場面で出番は巡ってきた。0-0の後半35分、井手口が17年12月2日の東京戦(味スタ)以来となるJリーグのピッチに飛び出した。「短い時間で難しかったが、今日はピッチに立てたことに意味がある」。同44分に倉田が復帰を祝うように先制弾。しかしロスタイムに追いつかれ、勝ち点3を逃した。

昨年1月にリーズへ移籍したが、期限付きでスペイン2部クルトゥラル・レオネサに再移籍し、昨夏からはドイツ2部フュルトに在籍した。右膝のけがなどもあり、出場機会に恵まれなかった。18年W杯ロシア大会代表も逃し、不遇な時間を過ごした井手口は「メンタル的に鍛えられた1年半」と表現した。

「広島のように引いた相手はアイデアがないと崩せない」。出番までピッチサイドで見守りながら、しっかり戦況を分析した。「あとはコンディションだけ。この数日で1段階上げたい。次の天皇杯(14日法大戦)はしっかり勝ちきりたい」。

広島から今夏に復帰したFWパトリックは、古巣戦には出場できない契約になっており、決定力を欠いてチームは3試合連続ドロー。前節神戸戦も2-0から追いつかれ、勝ち点3を逃す流れに、倉田は「正直しんどい部分はある」と言った。宮本監督も「(最後の)冷静さが今、少しチームに欠けている。そこが整備できれば、勝ちきるゲームができる」。FW宇佐美も復帰した今夏、その埋めるべきピースを井手口が担う。【実藤健一】