曹貴裁監督(50)によるコーチングスタッフや選手へのパワーハラスメント疑惑が明らかになり、Jリーグの調査が終了するまで同監督の現場での指揮および指導を控えることを発表したJ1湘南ベルマーレは13日、平塚市内で非公開練習を行った。

この日は問題が明るみに出てから初の練習で、グラウンドには約20人の報道陣が集まった。練習前には真壁潔会長、水谷尚人社長、坂本紘司スポーツダイレクターから選手へ、現状と曹監督の指導自粛についての説明がなされ、グラウンドでは高橋健二コーチらを中心に約1時間、汗を流した。クラブによると、高橋コーチは17日にホームで行われるサガン鳥栖戦で曹監督に代わって指揮を執るという。

練習後、選手らは一様に重い表情でグラウンドから引き揚げた。U-20日本代表のMF斉藤未月(20)は「試合はやってくるので、僕たちがやるべきことはサッカーをすることだと思いますし、それが仕事なので。覚悟はできています」と決意をにじませた。練習前に行われたミーティングに関しては「とりあえず、こういうことがあったよという説明というか。それ以外に詳しい話はしてないですし、もちろん僕らも知ることもほとんどないので。何かを話せることは少ないかなと。僕らもわからないことは多い感じですね」と話した。

MF梅崎司は「経験したことのないこと」と言い、「僕の口からは何とも言えない部分は多いかなという感じはしますね」と話した。チームは17日に鳥栖戦を控えるなど、リーグ戦の最中に指揮官不在で戦っていくことになった。「(チームメートと)どうなるのかねという話はしました。本当になかなかないことですし、まだ僕は(負傷で)リハビリ中ですけど、正直こんな状況で試合はできるのかなというところはすごくありますね」と不安も口にした。

目の前の試合に集中する選手も多く、日本代表DF杉岡大暉は「やることは変わらない」。GK秋元陽太も「試合も近いので、それ以外のことは考えてないです」と話すにとどめた。