北海道コンサドーレ札幌が臨むルヴァン杯準々決勝から、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)が導入される。

サンフレッチェ広島との第1戦は4日、札幌厚別公園競技場で行われる。新システムによって試合に挑む選手の意識はどう変わるのか。初めて体験することになる札幌の選手らにVARについて聞いた。【取材・構成=保坂果那】

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選手にとって、VARの有無でプレー面で大きく変わるのはオフサイドの場面だ。VARがない試合では、オフサイドが成立した瞬間に副審が旗を揚げ、反則と判定される。一方、VAR導入時は、際どいオフサイド判定では旗を揚げない傾向があり、MF宮沢は「ボールが(タッチラインを割るなど)切れてから旗が上がるから、笛が鳴るまでプレーを続けなければならない」と指摘する。

オフサイドラインの選手がプレー中に手を上げて主張する姿もあるが、その姿もなくなるはずだ。MF早坂は「副審を見て手を上げてアピールしたところで、旗を揚げないので、やり続ける」と意識改革の必要性を口にした。チームの共通認識となりえる変化に、ミハイロ・ペトロビッチ監督(61)は「オフサイドの判断が遅れることは選手も理解していると思う」と、心配していない。

ルヴァン杯で8強入り後、札幌の選手らは8月21日、札幌・宮の沢のクラブハウスで、JリーグによるVARについての研修を受けた。VARの対象となる場面、VAR判定の流れなどを説明された。宮沢は「際どい判定が明確になるのはいいこと。プレーをやりきることが大事だと思った」と強調していた。

◆VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー) 映像で確認し、主審の判定を手助けする「ビデオ副審」。介入する場面は(1)得点(2)PK(3)一発退場(4)警告などの選手間違いの4項目で主審を補助する。Jリーグは18年から試験的に導入を開始しており、19年1月にルヴァン杯準々決勝以降とJ1参入プレーオフ決定戦の全14試合での導入を発表した。W杯では18年ロシア大会から初めて使用された。