コンサドーレ札幌のMFチャナティップ(26)が「タイ代表」対決を制して、代表戦に弾みをつける。

チームは7日、札幌・宮の沢でアウェー横浜F・マリノス戦(9日、ニッパツ)に向けて練習を行い、メンバーは関東入りした。相手には今月14、19日にW杯アジア2次予選を一緒に戦うタイ代表のDFティーラトン(29)がいる。直近7試合負けなしで現在3位と好調な横浜を撃破して、気持ちよく代表に合流する。

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気温6度の寒さの中でも、チャナティップの気持ちは熱かった。札幌・宮の沢での全体練習では、降りしきる雨の中でキレのあるドリブルと豪快なシュートを披露。身支度を終えると、真剣な表情で移動のバスに乗り込んだ。3位横浜との一戦に「集中力を高めて戦いたい」と話し、クラブハウスを出発した。

ライバル心を燃やす。横浜の左サイドバックには同じタイ代表ティーラトンがいる。お互い若手の頃から母国のサッカー界をけん引し、国民的な人気を誇る。W杯2次アジア予選で14日はマレーシア戦、19日はベトナム戦で共闘する前に敵同士としてバチバチと火花を散らす。前回4月のリーグ戦ではティーラトンが負傷のためベンチ外。直接対決はティーラトンが神戸だった9月以来、約1年2カ月ぶりとなる。「やっと戦えてうれしいよ」と心待ちにした。

好調なチームを止める。横浜は8月24日の名古屋戦から7試合連続負けなし(6勝1分け)と波に乗り、順位は3位につける。リーグ最多の56得点の攻撃陣の印象を「後ろからのビルドアップが良いチーム」。質の高いクロスを供給するティーラトンには「テクニックもあるしレベルが高い」と警戒した。

期するものがある。チャナティップは10月4日のアウェーG大阪戦の試合前練習で右ふくらはぎを痛めて欠場。その後の代表活動を辞退した。「残念」と肩を落としただけに今回は2カ月ぶりの復帰には強い思いがある。そのためにも、チームで結果を残して合流したいところ。「勝ちたいね」。短くシンプルな言葉に決意を込めた。【西塚祐司】