清水エスパルスは勝って自力残留を決めた。今季最終戦でサガン鳥栖を1-0で下し、7試合ぶりの白星を挙げた。後半23分、FWドウグラス(31)が強烈な左足ミドルで決勝点。最終順位は12位に上がり、神戸との天皇杯準決勝(21日、ノエスタ)に向けて弾みをつけた。

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最後は自力でJ1の座を死守した。清水の選手たちは試合後、恒例の「勝ちロコ」でサポーターと喜びを分かち合った。主将の竹内涼(28)は「この応援で負けるわけがないと思った。サポーターの声の力を感じた」と感謝した。

最終戦もエースが救った。ドウグラスは後半23分、右サイドでボールを受け、ドリブルでエリア内に進入。角度のない位置から左足を振り抜いた。「イメージ通りのコースだった」。鋭く曲がった強烈なミドルは逆サイドネットへ。勝てば残留が決まる大一番で、今季15得点目。ワールドクラスの1発がさく裂した。

11月30日の前節までチームは6戦未勝利。ドウグラスは先月の4試合で無得点に終わり、「ドウグラス頼み」との批判があった。この日もエースが決勝点を挙げたことについて、竹内は「ドグのために走ったし、苦しい時でも誰1人文句を言わない。みんなのゴールだと思う」と強調した。

試合前の選手バス到着時にはサポーターが大声援を送り、選手を鼓舞。ドウグラスは「ピッチに入る前のエネルギーになった」とサポーターの熱意を力に変えた。21日の天皇杯準決勝・神戸戦を見据え、「決勝はみんなの夢。必ずタイトルを取りたい」と強調。J1残留から優勝へ-。自信を取り戻した清水の目標が変わった。【神谷亮磨】