ヴィッセル神戸が3-1で激戦を制し、初の決勝進出を果たした。前半にMFイニエスタの華麗なシュートで先制し、接戦ながら主導権を最後まで渡さなかった。イニエスタは2点に絡み、クラブ悲願の初タイトルとACL初出場へ王手をかけた。元日の決勝は、国立競技場で鹿島と長崎の勝者と対戦する。

神戸は前半13分、MFイニエスタが左足で華麗な先制ゴールを挙げた。右足親指の骨折を5日に公表後、初めての公式戦。J1は残り2試合を欠場して大一番に備えていた。

さらに前半33分、神戸はFW田中の右足の追加点で2-0とした。左サイドを個人技で抜いたDF酒井の好アシストが光った。

清水エスパルスも前半38分にMFドゥトラの左ボレーで1点を返した。右足でトラップしてそのまま左足を振り抜く高度な技だった。

前半から両者の激しい攻防で、神戸はDF大崎とダンクレーが警告を受けた。後半は同点を狙う清水が攻勢に出たが、神戸は同24分にイニエスタの縦パスを受けたFW古橋が右足を振り抜き、試合をほぼ決定付ける追加点を奪った。

神戸は天皇杯で00、17年度の2度とも清水、C大阪を相手にそれぞれ敗退。今季のJ1では8位に終わるなど大型補強を続けてきたが、結果が出ていなかった。01年度以来2度目の優勝を狙った清水は、勝てば決勝は10年度以来9大会ぶりだった。

両者の対決は今季のJ1では、最後まで残留争いを強いられた12位清水の1勝1分け。清水をやや苦手とする8位の神戸フィンク監督は「ボール保持力はウチの方が高いが、清水は個人技のある外国籍選手がおり、セットプレーやカウンターに注意しなければならない」と警戒して臨んだ。今季限りで現役引退の神戸FWビジャはベンチを外れていた。

▽イニエスタの話 本当に幸せです。決勝の舞台に立てること、今日この試合に勝てたこと、難しい試合でしたが、チームとして大きな働きができましたし、次は決勝を勝ち取りにいきたいです。個人よりもチームとしていい働きができた。一致団結して最後まで戦い抜きましたし、ファンの皆さんの応援に感謝したい。(決勝は)素晴らしい舞台になると思います。神戸にタイトルを勝ち取って帰りたい