鵬学園(石川)が京都橘(京都)にPK戦の末に競り勝ち、2度目の出場で初勝利を挙げた。

後半14分に先制を許すも、終了間際の同40分にゴール前での崩しから、最後は途中出場のFW坂本健太(3年)が左足で起死回生の同点弾を決めた。試合はこのままPK戦へ突入すると、鵬学園のGK前原が先攻の京都橘のキッカーを2人目まで連続ストップ。鵬学園も1人目は失敗したが、残りの選手はしっかりとネットを揺らし、昨夏の全国高校総体4強で今大会優勝候補にも挙げられた強豪を撃破した。

赤地信彦監督は相手の2トップへのボール供給源となるボランチにハイプレスをかけて攻撃を分断する作戦がうまくいったことを明かし「プラン通りうまくいきました。坂本があんなシュートを決められるとは。試合の中で成長していくのがうちらしいですね」と試合を振り返った。

チームにはPK職人の2年生GK藤原洸生がベンチに控えていたが、指揮官は「神懸かっていたので、迷いなくいけると思った」と試合を通じて好セーブを連発していたスタメンのGK前原瑞穂(3年)に全てを託した。その期待に応えて5本中2本のPKをストップした前原は「いつも以上に集中していたし、勝てる雰囲気しかなかった」と胸を張った。

3日の3回戦では前原の地元でもある栃木県代表の矢板中央と対戦する。中学時の県選抜などでは同校のDF加藤蒼大(3年)やFW大貫翔平(3年)らとのプレー経験もあると明かし「(対戦は)意識はしています」と闘志を燃やす。鵬学園に進学したのも「(同県のライバル)星稜を倒して歴史を変えようと思ったから」。ここ3大会連続出場中の地元の強豪も倒し、鵬学園の名を全国にとどろかせる。