帝京長岡のFW晴山岬(3年)が神戸弘陵(兵庫)戦で2大会連続のハットトリックを達成した。ヘディングで後半15、同35分、同39分と立て続けにゴールネットを揺らした。2大会連続のハットトリックは平山相太(国見)以来16大会ぶり。来季はJ2町田加入が内定しているFW。苦手だったヘディングで今大会の全4得点を奪うなど、大舞台で進化を見せた。

  ◇    ◇    ◇

FW晴山のボンバーヘッドがさく裂した。奪い取った3得点はすべてが頭。百発百中の正確さでゴールネットを揺らし続けた。後半15分と同35分は右クロスをファーサイドから。同39分は左CKをファーサイドで跳んで頭に合わせた。前半に放った左足シュートはクロスバー直撃だっただけに、頭には「照準器」が搭載されていた。

前回大会の1回戦(対高知西、6-0)で大会ハットトリック第1号を決めていた男が、2大会連続のハットトリックを達成した。「正直、ビックリしてます」と言った。というのは、もともとヘディングは苦手だった。「自分の弱みだったところ。それが今大会は頭でしか点を取っていない」と笑う。熊本国府との初戦も頭で1点。前回大会と並ぶ通算4得点はすべて頭で稼いだ。

もちろん、苦手克服のためのヘディング練習は積んできた。「前日、話した1日100本というのは盛っちゃったけれど、1日50本は絶対にやってきた」と言った。J2愛媛に来季加入のDF吉田晴にクロスを上げてもらってきた。ヘディングが苦手という個人的理由に加え「チームにヘディングシュートが足りない」とチーム事情を考えて新たな武器を磨いた。

平山相太以来、16大会ぶりの2大会連続ハットで、チームも2年連続の8強入り。5日の準々決勝、仙台育英(宮城)戦に勝てば新潟県勢初のベスト4となる。「楽しみ以外にない。勝たなきゃ楽しくない」と準々決勝も楽しみながらヘディングシュートを決める覚悟だった。【涌井幹雄】

◆晴山岬(はるやま・みさき)2001年(平13)6月30日、宮城県仙台市生まれの長岡市育ち。サッカーは4歳から長岡JYFCで開始。前登録も同じ。長岡南中出。U-18日本代表。来季はJ2町田入り。好きな選手はFW佐藤寿人(千葉)。174センチ、67キロ。血液型O。