全国高校サッカー選手権は5日、準々決勝を迎える。2年連続3度目の8強を決めた帝京長岡は県史上初の4強を狙い、仙台育英(宮城)と対戦する。イレブンは4日、横浜市内でランニングを中心に調整した。3回戦(3日=神戸弘陵、5-0)でハーフタイム交代のMF谷内田哲平主将(3年)が、不完全燃焼だった3回戦の分までフル回転することを誓った。

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谷内田の引き締まった顔には多くの思いが詰まっていた。3回戦は「初めて」というハーフタイムでの交代。その悔しさを晴らすことはもちろん、県勢未踏の4強入りを視野に入れた。「(3回戦は)みんなが頑張ってくれた。ベスト8のところ(準々決勝)で恩を返さなければならない。それが責任。ピッチで返すしかない」。チームの「顔」としてのプライドだった。

もちろん、途中交代には納得している。2回戦の熊本国府との後半に右太もも裏がつり、3回戦では「ちょっと重いな」と気になっていた。「自分のパフォーマンスが悪い、というのは感じていた」。だからこそ、3回戦で失った40分を取り戻す。「次の試合で結果を残す」と、静かな口調に強い思いを込めた。

谷内田が背負う背番号「14」は、帝京長岡のエースナンバー。12年にチーム初の8強入りを決めた時のMF小塚和樹(25=大分)がつけていた番号だ。「14番は結果を残す選手がつけるもの。結果を残すしかないなと思う」。1年生から背負っているだけに、J2京都入りを決めたMFへの期待は大きい。古沢徹監督(34)は「サッカー偏差値が高い」と評する。

新たな歴史の扉をこじ開ける。県最高成績の4強への挑戦は2年連続3度目。前回大会は、準々決勝で尚志(福島)に0-1で敗れ、準決勝を埼玉スタジアムで観戦。あらためて悔しさを味わった。「準決勝の観客数は、準々決勝とは天と地の差」。そう話す谷内田が、準決勝が行われる埼玉スタジアム行きへの切符を、キラーパスでもぎ取ることを誓った。【涌井幹雄】