第98回全国高校サッカー選手権で連覇を狙う青森山田は4日、今日5日に行われる昌平(埼玉)との準々決勝に向けて調整した。

会場はJ1復帰を果たした横浜FCの練習場。同ジュニアユース出身で今春からはトップチーム入りが内定しているMF古宿理久(3年)にとって、サッカーの原点であり、新天地でもある。FWカズ(三浦知良)、MF中村俊輔らが汗を流す地に力も得て、攻守で勝利を導く。仙台育英(宮城)も都内で練習し、帝京長岡(新潟)との決戦に備えた。

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MF古宿が「カズ魂」を感じられるパワースポットで力を得た。練習会場のLEOCスポーツセンターは、中学時代に所属した横浜FCジュニアユースでJリーガーを隣に練習していた思い出深い場所。今春からはカズらJ1昇格を導いた選手とレギュラー争いが待つ厳しい場所にもなる。「ずっとここでやってきた原点。プロになっても1年目から試合に出たいので、積極的に良い選手に勝っていかないといけない。力をもらえるグラウンドです」。主力組はランニングやサインプレーの確認などで軽めの調整。故郷に戻って自然と笑顔があふれたが、思い切り左足でシュートを放ってネットを揺らすなど力も入った。

守備的MFとして攻守の中心を担う。ドリブルやパスをつなぐ攻撃力が売りの相手に対し「テクニカルな足元のチームなので、自分のところで突破を許さないことが大事になってくる」と警戒。だが、奪えれば大きな好機に変わる。「自分が攻撃のスイッチになる。ロングパスが得意なので、前線も大事ですが、うちはサイドハーフも強力なので、サイドからのクロスを生かすパスを通したい」。自身も富山第一との3回戦ではFKとCKで2アシストと好調。2戦合計10得点の攻撃を操る。

昌平には昨年度優勝した先輩たちが、夏の全国総体2回戦で2-0から4失点して逆転負けを喫した苦い思い出もある。だが、今季は高校生年代最高峰のプレミアリーグチャンピオンシップ決勝で名古屋U-18を破って優勝した意地もある。「横浜FCのチームに入る前にアピール出来るのが選手権。勝って、さらに良い流れを作って優勝したい」。カズや下平隆宏監督にも存在感を示すつもりだ。【鎌田直秀】