【チェンマイ(タイ)15日=西塚祐司】北海道コンサドーレ札幌のルーキー、MF金子拓郎(22=日大4年)が激戦区の高い壁に挑む。昨年のシーズン途中で今季加入が内定し、初のタイキャンプで奮闘している。昨季は特別指定選手として公式戦14試合を経験し、本格的なプロ1年目がスタート。代表選手らがそろう前線のシャドーの位置を狙っていく。

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「久しぶりに疲れたっ!」。充実の初キャンプを過ごすルーキー金子の口から、思わず本音が出た。初日14日の午後はフル人数での実戦練習。この日の午前はパス交換で、ゴールに向かい約30分間走りっぱなしだった。「ハードで結構キツイです。けどみんなで楽しくできています」と笑みを浮かべた。

前線の激戦区に挑む。「一番やりたいポジションはシャドーです」。ミハイロ・ペトロビッチ監督(62)が敷くフォーメーションではシャドーは2人。昨年、主に務めたのは日本代表のFW鈴木武蔵(25)タイ代表MFチャナティップ(26)ブラジル人助っ人アンデルソン・ロペス(26)。強力攻撃陣がズラリとそろうが「層は厚いけど試合に絡むためにアピールしたい」。持ち味のドリブルを生かすため勝負していく。

経験を生かす。昨年は特別指定選手として日大に所属しながらリーグ戦6試合、ルヴァン杯8試合に出場。5月のルヴァン杯アウェー湘南戦では、後半からシャドーに入りゴールも決めた。攻撃面では手応えをつかむ場面もあったが、守備面の課題も露呈した。「自分のことだけで、いっぱいいっぱいだった」。2部練習が続くキャンプでは、連係を深め克服していく。

チームはタイキャンプで練習試合4戦を予定している。自身はJリーグの新人研修でひと足早く帰国するためチャンスは3試合となる。「練習よりも試合でアピールできれば」。キャンプで磨いた部分を発揮して、2月から始まる第2次沖縄キャンプに入りたいところだ。

日大時代は主に関東大学リーグ2部などでプレーした。「自分は大学では無名だと思っている。札幌に引っ張っていただいてありがたい気持ち。戦力として勝利に貢献したい」。若手らしく勢いで開幕に向かう。