男子は、藤枝東が藤枝明誠との「藤枝対決」を1-0で制し、2連覇を飾った。前半で退場者を出しながらも、延長前半7分にFW各務元夢(かがみ・もとむ、2年)が決勝点を奪った。

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試合終盤、藤枝東に歓喜の時が訪れた。0-0で突入した延長前半7分、相手FKのミスからカウンターを発動。FW小島涼平(1年)が抜け出し、最後は左サイドを駆け上がったFW各務が右足で仕留めた。試合を決めたヒーローは、直後に交代。「準備していた選手を見たら(交代は)自分だとわかったので、最後の力を振り絞った」と笑った。大仕事を成し遂げ、ベンチで2連覇を見届けた。

ピンチを力に変えた。前半ロスタイムに、MF関原耕(2年)が2枚目の警告を受けて退場。10人での戦いを強いられた。だが、「10人になってスイッチが入った」とDF稲葉楽主将(2年)。後半以降に放ったシュートは、11人の相手と同じ5本。準決勝の静岡学園戦と同様、攻撃的な姿勢を貫いて勝利につなげた。

ライバルの全国制覇が刺激になっている。今冬の全国選手権で静岡学園が優勝。小林公平監督(35)は「静岡学園はスタイルを貫いて優勝した。追求することの大切さを選手たちが感じて迎えた新人戦だった」と話し、「もっともっと精度を上げられる」と続けた。稲葉主将も「全国制覇に視点を置いて、もっと成長しなければ」と言った。この日、手にした1冠は通過点にすぎない。【前田和哉】