J1ベガルタ仙台が新時代に突入した。クラブOBで6季にわたって指揮を執った渡辺晋氏(46)が、昨季限りで監督を退任。新たにJ2モンテディオ山形から木山隆之監督(47)が就任した。主力のほとんどが残留し、骨格を維持したまま大補強。未来につながる新スタイル構築と7年連続2桁順位脱却を目指す。

連載「新時代照らす七つ星~J1仙台新戦力」と題し、今季加入した7選手を紹介する。

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J1仙台FWアレクサンドレ・ゲデス(26)は、1トップやトップ下として攻撃の火付け役になる。U-19、U-21ポルトガル代表経験があり、長身を生かしたポストプレーやハードワークが武器だ。しかし、沖縄キャンプ中の1月24日、練習試合のウオーミングアップ時に右足首の靱帯(じんたい)を損傷。全治8週間の見込みで開幕までの復帰は絶望的だが、フォア・ザ・チームの姿勢で戦っている。

C・ロナウド(ユベントス)を輩出したスポルティングの下部組織出身で、欧州以外でのプレーは初。これまでFWが主戦場だが「トップ下は長い間やっていないが、ボールをたくさんさわれるし、1トップもゴールに近いので好き」と柔軟に構える。今季の目標については「数字に出すとうまくいかなかったり、自分のリミットを制限してしまう。チームの成功が自分の成功だし、それに重なってゴールとかも自然と出てくると思う」と力強く語る。

浦和レッズFWファブリシオと親交が深く、仙台からのオファーを相談すると「質の高いリーグ」と背中を押された。さらに昨夏ごろ、ファブリシオの応援で埼玉スタジアムを訪れた友人に、試合の映像を送ってもらった。「サポーターが多くてすごいと感じたが、Jリーグ入りは想像していなかった」。それを機に自身でJリーグの動画を検索するようになり、日本行き決断は「新しい挑戦への強い思い」だと言う。熱く、激しく、気持ちを込めたプレーで、歓喜を届ける。【山田愛斗】

◆アレクサンドレ・ゲデス 1994年2月11日生まれ。ポルトガル出身。スポルティング2(ポルトガル)、CFレウスデポルティウ(スペイン)、ヴィトーリアSC(ポルトガル)などを経て期限付き移籍。家にいることが好きで「ショッピングに行ってもすぐに帰りたいが、妻に怒られるので、仕方なく付き合っている(笑い)」。185センチ、83キロ。利き足は右。家族は妻と息子2人。