J1横浜F・マリノスのMF遠藤渓太(22)が神奈川県のスポーツチームが参加するeスポーツ大会「One KANAGAWA Sports ALL-Star Cup 2020」で初優勝を果たした。5月31日に決勝トーナメントの模様が録画配信され、決勝戦で川崎フロンターレのFW旗手怜央(22)を3-2で破り、初の栄冠に輝いた。

ゲームはプレイステーション4の「EA SPORTS FIFA20」を使い、2人はそれぞれの所属クラブを使って対戦した。遠藤操る横浜はFWマルコス・ジュニオール、エリキの得点で2点を先行しながらも追いつかれて苦しんだが、後半12分にマルコスが勝ち越し点を挙げ、試合を決めた。遠藤は「優勝できてよかったです。いろんな競技の方々と試合ができて、素直に楽しかった。また機会があれば参加できればと思います」と喜びを語った。

決勝戦で対戦した旗手は同じ97年生まれで、誕生日も11月22日の自身と1日違いの同世代。「もし決勝までいってやるとしたら怜央かなと思っていた。神奈川ダービーですし、負けられない」と気合を入れ、東京五輪を目指すU-23日本代表でも共闘するライバルに勝利。旗手からは「フェイントを入れてきたり、結構やってる感があった」と称賛された。

同大会は新型コロナウイルスの感染拡大に対応する神奈川県の医療従事者を支援する目的で行われ、県内6つのJリーグクラブや、なでしこリーグのノジマステラ神奈川相模原、プロ野球の横浜DeNAベイスターズ、プロバスケットボールの横浜ビー・コルセアーズなどから各1人ずつ代表者が参戦。視聴者による有料メッセージ機能や、参加チームから提供されたチャリティーグッズオークションなども行い、神奈川県へ贈る寄付金も募った。

遠藤は3人ずつ5組に分けた1次リーグではノジマステラのMF川島はるな、湘南ベルマーレフットサルクラブのロドリゴと同じA組に入り、2連勝で突破した。決勝トーナメントの準決勝ではSC相模原のMF水野晃樹との壮絶なシーソーゲームを制して4-3で辛勝。コントロールシュートも駆使するなど、高い技術を見せていた。

遠藤は4月18日に横浜で行ったオンラインイベントのゲーム企画でもチャンピオンに輝いており、eスポーツでの“対外試合”でもその実力をしっかりと証明。優勝賞品には大会でも使用した「FIFA20」のソフトが贈られたが、すでに私物として持っており、サイン入りソフトとして視聴者プレゼントとした。遠藤は「このようなイベントで神奈川県がひとつになれたことを誇りに思います。(Jリーグの)再開にむけても良い準備ができるように頑張ります」と本業のサッカーでの活躍も誓った。【松尾幸之介】