ガンバ大阪は23日に鹿島アントラーズと敵地カシマで戦う。22日、大阪・吹田市内で練習後、18年末まで鹿島に在籍していた元日本代表DF昌子源(27)が、オンライン取材に応じた。

古巣との対戦は初めてとなり、引退を表明した鹿島DF内田篤人(32)の最後の試合になる。

今年2月にフランス1部トゥールーズからG大阪に移籍してきた昌子は、米子北を卒業して11~18年まで鹿島で育った。

「特別なクラブには間違いない。非常に楽しみ」と言いつつ、「今回が初めて(鹿島と対戦)なので、自分なりにしっかり、G大阪の勝利に近づけるためにやりたい。ピッチに入れば、私情は入れないようにしたい」と表情を引き締めた。

今季はここまでG大阪は6位、鹿島は12位。「(現状は)鹿島らしくないとは思うが、僕がいたころと違う監督だし、選手も変わっている。鹿島もうちもポゼッションを高めたいし、どちらがボールを長く持てるかが大事になってくる」と話した。

引退する内田との思い出は尽きないという。日本代表に初めて選ばれた際、当時シャルケに在籍の内田が「やっと(代表に)来たか」と歓迎してくれた言葉が忘れられないという。昌子が日本代表デビューとなった15年3月31日、親善試合ウズベキスタン戦。

「困った時は全部(右サイドバックにいる)俺に出せと言われた。兄貴的な存在で、誰にも同じ接し方で、さみしさはある」と本音を口にした昌子は「海外、Jリーグ、代表でも引っ張ってくれていた偉大な選手。誰もが大きな決断は1、2回あるし、他人がどうのこうの言うレベルではない。篤人君が決めたことに、おつかれさまでした、ありがとうございましたと伝えたい。僕らが逆の立場(鹿島の一員)なら勝って送り出したいが、しっかり勝ち点3を取りにいきたい」と、当然ながら勝負に徹する姿勢を強調した。

16年7月2日に3-1で制して以来、G大阪は鹿島に6試合(3分け3敗)勝てていない。優勝争いに再び加わるためにも、個人的な感情を隠して昌子は鹿島から勝利を狙う。【横田和幸】