23日のガンバ大阪戦をもって現役を引退した、鹿島アントラーズの元日本代表DF内田篤人(32)が24日、オンラインで引退会見を開いた。

引退を迎えて「正直『やっと終われるな』っていう気持ちの方が強いです。自分をセーブしながらプレーしてきたのは、試合に出る、出ない、勝つ、負けるより、すごくつらかったかなと思います」と心境を明かし、今後については「具体的にはまだ決まっていないですけど、サッカーしかないというより、サッカー以外のことでやれていく自信がない」と話した。

 

記者会見での内田の主な一問一答は以下の通り。

 

-衝撃を受けた選手は

内田 日本人では、自分が若かったこともあって、経験もない中で、黄金世代はすごかったなと思います。満男さん(小笠原)、浩二さん(中田)、新井場さん、野沢さん、本山さん、マルキーニョス、ダニーロ、剛さん(大岩)も、全部になっちゃうな。あのときの先輩方には衝撃でしたね。練習でついていけないシーンが多かった。外国人で言えば、チームメートでよく戦ったので、フンテラールとかラウール(ゴンサレス)とか、ファルファンとかですかね。

-ドイツで思い出に残っている試合は

内田 CLでベスト8を決めたバレンシア戦(11年3月9日、3-1)。3点目のカウンターで、チームメートが走りだしたのを後ろから見たとき、スタジアム全体が揺れていたというか、この試合をやるために僕はシャルケに入ったんだな、と思えるほど印象的なシーンでした。

-Jリーグで印象に残っている試合は

内田 3連覇したときのアウェーの浦和戦ですかね。興梠さんにクロスをあげた試合かと思います。思い出せばもっと印象的なゲームはあると思うけど、言われてみれば。あのときの11人、在籍していた選手は、J史上最強なんじゃないかと、個人的には思っています。

-41歳のGK曽ケ端より先に引退することについて

内田 前もって何人かには伝えないと、と思っていた1人がソガさん。「まだやれるだろう」と、一番しつこく言ってきたのがソガさんですね。長くやっているので反論できなかったけど、早いなとか、もったいないなとか、一番寂しそうなのがソガさんだったので。あの人はまだあと10年くらいやるんじゃないですか。(中略)これから1人のファンとして、ユニ買って応援したいと思います。

-FWカズ(横浜FC)に引退は伝えたか

内田 言いませんでした。少し前にお会いできるチャンスがあったけど。自分はカズさんに憧れてサッカーを始めました。その人より先に引退するっていうことが、すごい幸せだなと思いまして。試合が過密日程の中で行われていたので、自分から連絡するのはやめようと思っていました。迷いましたけど。「明日の試合がんばって」とメールも前日にいただいたし、終わってからも連絡いただいて。またご飯に誘っていただきたいなと思っています。

-後悔はないか

内田 考えればあると思うけど、考えないようにしています。

-選手をやめてまずやりたいことは

内田 子どもの幼稚園のお迎えです。これからは手をつないで一緒に、幼稚園のお迎えができたら最高かなと思います。

-先生になりたかったそうだが、今後なる予定はあるか

内田 いや~なります? 先生。娘が、サッカーおしまいになって一緒に遊べるって昨日喜んでいたので、先生になっちゃうと大変かと思うので、やめておきます。

-子どもたちに伝えたいことは

内田 プロになれない子どもたちがほとんどだけど、その中でなれる選手、なれない選手は何が違うか考えたとき、半分くらい運もあると思うけど、「自分努力しているな」と思ったら違うのかなと思います。サッカーが好きで、延長線上にプロになっちゃったという形が自然かと。プロになるために努力というよりは、その方がしっくり来るかと思います。