ザーゴ監督のプランがピタリとはまった鹿島アントラーズは、今季2度目の対戦でFC東京に勝利した。

前半ロスタイムのオウンゴールによりリードを許して折り返すと、ハーフタイムのロッカールームで指揮官は「相手の裏を狙え」と指示。事前のスカウティングでも相手の弱点として挙がっていたというが、前半の内容を受けてあらためて強調した。

すると後半3分、敵陣中央付近でボールを受けたMFファン・アラーノが、相手の裏を取った前線のFWエヴェラウドめがけてクロスを供給。ヘディングで合わせたボールは東京GK林に弾かれたが、こぼれ球を詰めて同点弾を決めた。

同12分には左サイドのMF荒木が、相手DFの間に抜けたファン・アラーノにスルーパス。これが決まり決勝点となった。

来日初得点に加えてアシストも記録したファン・アラーノは「サイドハーフが入ってきてスルーパスを出す練習をしている。練習通りの形ができた」と話し、「試合前のミーティングから、裏のスペースに顔を出して狙えと言われていた。繰り返した結果、裏に抜けて良いパスが出た」と、狙い通りの得点に手応えを口にした。

リーグ戦初先発で、2戦連続のアシストを記録した荒木も「スカウティング通りにできて点が取れたのでよかった」と話した。開幕4連敗など“生みの苦しみ”に直面していた鹿島だが、その後の9試合では5勝3分け2敗と、少しずつ調子を上げている。【杉山理紗】