内田篤人さんの引退を力に変えた鹿島アントラーズMF土居聖真(28)が2分で2点を決めて、中2日での3連戦ラストを劇的な逆転勝利に導いた。

後半9分にピッチに立つと、1-2の同44分にDF永戸の左クロスを右足で合わせ、2分後の同ロスタイム1分にはMF三竿の右クロスを頭で決めた。

内田さんのラストマッチとなった23日のガンバ大阪戦前日は、練習後一緒に風呂に入って隣で涙を流した。24日の引退会見にも立ち会い、その場で内田さんから「これからいろいろ背負ってもらわないといけない部分もたくさんある。ピッチ外での仕事も年齢的にはやってもらいたい。これからきっと、もっともっと活躍してくれる」と今後の鹿島を託された。

そんな土居は「『内田さんのために勝とう』と口にしなくても思っている選手もたくさんいると思う」とあらためて内田さんという存在の大きさを強調し、「内田さんにささげるゴール、勝利を与えられてすごくうれしい。それが原動力にもなっている」と話した。試合後はすぐに「俺にささげるゴールありがとう」と連絡が来たことも明かした。

鹿島が中2日だったのに対して、柏は中5日。チームは試合前から「相手のプレッシャーや強度を上回る入りを見せよう」と話していたといい、有言実行のパフォーマンスで勝利をたぐり寄せた。

この試合含めて、鹿島は8月のリーグ戦7試合中4試合で後半ロスタイムに得点した。さらに途中出場の選手の得点は今月、ルヴァン杯を含めて19点中8点と、ザーゴ監督の采配も的中している。7月はわずか1勝だったが、8月はリーグ戦4勝2分け1敗、うち3試合は逆転勝ちと勝負強さが出てきた。【杉山理紗】