19大会ぶり5度目の全国選手権出場を狙う東京学館新潟が柏崎を10-0で下し、3回戦進出を決めた。MF藤田希(3年)とMF北山恒円(3年)がともにハットトリックの活躍でチームを大勝に導いた。3回戦は10月17日に行われ、前回大会全国4強の帝京長岡などのシード8校が登場する。

藤田が変幻自在なドリブルでゴールに迫る。7-0と大量リードの前半38分。左サイドでボールを受けると相手DFの間を一瞬ですり抜けペナルティーエリアに進入。右足を強振し、この試合、自身3得点目を決めた。前半でハットトリック達成のドリブラーは「小学生のころからプレースタイルは変わっていない。次の試合でも積極的にドリブルを仕掛けチャンスを生み出したい」と強気だった。

攻撃スタイルを貫くチームは藤田とともに1年からレギュラーのMF星野敬汰主将(3年)が正確なパスで試合をコントロール。自らも積極的にゴールを狙い、前半にミドルシュートも決めた。星野は「(チームは)前半はいい形が出せたが後半には満足していない。3回戦まで1カ月半あるので全員でもっと体力をつけ、ボールと人が連動する攻撃的なサッカーを追求したい」と話した。

東京学館新潟を4度の全国選手権、4度の全国高校総体出場に導いた渡辺滋監督(64)は今年で定年退職となる。「36年間の集大成。この子たちと最後まで全力で頑張ります」。藤田と星野は「監督は歴史をつくってきた人。3年間の恩を返すためにも全国に行きたい」と口をそろえた。【小林忠】