サガン鳥栖は、新型コロナウイルス感染によるクラスター(感染者集団)発生後初となる公式戦で、横浜FCを3-0で下し、ホーム初勝利で今季2勝目を挙げた。8月11日から活動休止し、同26日から練習再開。リーグ戦は4試合が延期になった。感染していた金明輝監督(39)らは、前日4日にチーム合流したばかりで、約1カ月ぶりの公式戦だった。

   ◇   ◇   ◇

「コロナ騒動」に揺れた鳥栖が、5試合ぶりリーグ戦を白星で飾った。活動休止は2週間。うっぷんを晴らすかのように、攻守のハードワークで圧倒した。序盤からパワー全開で主導権を握り、前半11分、クロスにFW金森が体ごと飛び込み鳥栖初得点で先制した。

後半も攻撃の強度は落ちず、金森を含む3選手が今季初得点の暴れぶり。直近の8月8日鹿島戦まで9試合5得点だった決定力不足がうそのような猛攻に、金森は、コンディション面を問われ「体力的に厳しかった」と吐露した。

8月10日のPCR検査で陽性判定を受け、退院後も自宅待機だった金監督は、前日4日に合流したばかり。試合後の会見はマスクをして登場。開口一番、取材陣に「誰もいないんで、マスク外していいですか。大丈夫ですか」と確認。さらに「またこれ記事に書かれるんですよね。マスクしてないと。難しいんですよ。立場的に」と神経質になっている一面ものぞかせた。

感染拡大による影響には「コロナに感染した選手は1人も(試合に)出ていません。ただ言えるのは、しっかりといい準備をした選手がゲームに出ている」と説明した。

鳥栖は、金監督ら選手、スタッフ11人が感染するクラスターで、8月11~25日まで活動を休止。同26日の全体練習再開後も自宅待機となっていた金監督ら11人は、金監督ともに4日に合流していた。コロナ禍を乗り越え、3発快勝で再出発した。【菊川光一】