セレッソ大阪は、MF清武弘嗣(30)の後半ロスタイム弾で仙台に3-2で勝ち、打ち合いを制した。

清武は、芸術的なゴールを含む1ゴール1アシスト。前節まで今季初の2連敗だったが、悪い流れを断ち切り、首位川崎に食らいつく執念を感じさせる逆転勝ちとなった。次節は10月3日、ホームに川崎Fを迎え、直接対決に挑む。

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東北の地で清武劇場が開幕した。2-2の後半46分、藤田、小池とつないだボールが主将の足元に収まると、ペナルティーエリア(PA)に切り込んだ。右足で描いた弾道は、ジャンプしたGKの頭上を越え、ゴール右上に突き刺さった。「時間はなかったが、タツ(坂元)からのボールをミスしたので、今度は丁寧に打とうと」。決定機でも冷静さを保ち、仕事をした。

昨季はリーグ最少の25失点で5位。今季も堅守を武器に、リーグ2位で川崎Fを追う。今年初めには清武とFW柿谷曜一朗(30)が「俺たちでリーグ優勝させよう」と誓い合った。首位川崎Fは負けず、C大阪は直近の2試合(鹿島、東京)とも、2失点で敗れた。これ以上、差は広げられない。3連敗は避けなければならない一戦だった。

1-1の後半22分、DF松田と、仙台のFW西村がゴール前でからまりPKの判定。これを決められ、先制した試合は、1-2とひっくり返された。悪い流れを払拭(ふっしょく)すべく投入されたのが清武。ピッチに立つと、同37分、絶妙なCKからDFマテイヨニッチが頭でたたきつける同点弾を導いた。ロティーナ監督(63)は「キヨの働きには満足している。去年はほとんどケガをせず、今年はアシストやゴールを決めている」と評価した。

10月3日には川崎Fと直接対決が控える。清武は「勝ち点差は離れているが力を試すいい機会。しっかり準備したい」と言い、2-5で敗れた前回アウェー(8月19日)の雪辱も期している。【南谷竜則】