「磐田のヤット」が本格始動した。ガンバ大阪から期限付き移籍でジュビロ磐田に加入した元日本代表MF遠藤保仁(40)が6日、袋井市内で行われたチーム練習に合流。

日本サッカー界のレジェンドは初日から「らしさ」全開でアピールし、10日のアウェー松本山雅FC戦(サンアル、午後2時)での出場に意欲を示した。

遠藤のスイッチが入った。練習前にはG大阪でチームメートだったDF今野泰幸(37)らと談笑するなどリラックスムードだったが、練習中は「違い」を見せつけた。5対5のハーフコートゲームでは華麗な足技を披露。ワンステップで出したアウトサイドの浮き球パスでチャンスを作ると、鋭い縦パスでゲームメークし、強烈なミドルも放った。練習後は「楽しかったけれど、疲れました」と素直に明かしたが、新天地での初日を終えた40歳の表情には充実感が漂っていた。

約20年間在籍したG大阪を離れ、J2の磐田に加入。カテゴリーを下げた自身3度目の移籍は「新たなチャレンジ」と位置付けている。家族は大阪に残し、単身で磐田に移住。環境の変化にも前向きで「すごく楽しみ。大阪よりは田舎だけれど、のどかですごくいい場所」と笑顔だった。クラブからはピッチ内外で手本になることも期待されている。遠藤は「そういう点でも応えたい」と、過去の経験もチームに還元するつもりだ。

早ければ、10日のアウェー松本戦で先発デビューする可能性もある。「まだまだプレーで『違い』を見せられる自信はある。いいモチベーションとコンディションを保って、期待に応えられるようなプレーをしたい」。今年でプロ23年目。試合出場に飢えるベテランの目は輝いている。

【神谷亮磨】

○…「遠藤フィーバー」に期待もかかる。加入後初のホーム戦は14日の長崎戦(ヤマハ、午後7時30分)。チケットは7日の正午から優先販売が始まる。平日でのナイター開催だが、入場制限の上限約3700枚のチケットは完売必至だ。クラブは今後、遠藤の背番号「50」がプリントされたタオルマフラーなど一部グッズを販売予定。担当者は「詳細が決まり次第お知らせします」と話した。