鹿島アントラーズはザーゴ監督の采配が的中し、0-2からの逆転勝利で3戦ぶりの白星をつかんだ。

開始2分、13分と立ち上がりに2失点。前半は自慢のプレスがはまらず、簡単にボールを失う場面が多かった。

ザーゴ監督は「守備の部分で距離感が空きすぎたり、相手との間合いを連動して詰めることがうまくできなかったので、選手の配置を変えて、プレッシングをかける距離感を近くすることを選んだ」と、後半12分に3枚替えを敢行。MF荒木、白崎のほか、ボランチのレオ・シルバに代えてFW上田を投入し、前線に厚みを持たせた。

システム変更で前からのプレスを組み立て直すと、直後の13分、荒木とMFファン・アラーノのコンビネーションで右サイドを崩し、最後はFWエヴェラウドが右クロスをダイレクトで決めた。

勢いそのままに敵陣に押し込み続け、後半は横浜FCのシュートを0に抑えた。後半43分には途中出場のMF永木の右CKからオウンゴールが生まれ、同ロスタイムには同じく永木の右CKから、こぼれ球を拾った荒木のパスをゴール前でMF小泉が押し込んで逆転に成功した。昨夏の鹿島移籍後初ゴールを決めた小泉は、「いつも(CKのときは)こぼれの位置(ペナルティーエリア外)にいるが、監督から上がれと指示があった」。ここでも指揮官の選択が得点を生んでいた。

7連勝後2連敗と苦しみ、ようやく勝利を手にしたザーゴ監督は「4-3-3にシステムを変えて、白崎がチームに機動力をもたらしたり、荒木が前でキープしたり、松村が入って流れを引き寄せていった。永木は期待しているプレースキックの精度でほぼ2得点に絡んだ。選手が諦めずにやってくれた」と、期待に応えた選手たちの仕事ぶりをたたえた。