ベガルタ仙台は12日、ホーム初勝利を目指す14日の横浜FC戦に向けて仙台市内で調整した。

高卒2年目のMF田中渉(20)は、前節(10日)の首位川崎フロンターレ戦で途中出場19分間で存在感を示し、高精度の左足からテンポのいいパスでリズムを作った。ボランチで先発を狙い、待望のユアスタ1勝と11戦未勝利脱出へ希望の光になる。

田中は沖縄、宮崎キャンプと好調を維持し、今季初戦のルヴァン杯浦和レッズ戦で2ゴール。飛躍を予感させたが、コロナ禍でのリーグ長期中断が影響し、スランプに陥った。木山監督は「パフォーマンスがすごく落ち、何試合か出場したときも思うようなプレーができずにいた」。背番号30の今季リーグ戦出場は3試合で計54分。8月の同杯セレッソ大阪戦は先発も、ハーフタイム交代の悔しさを味わった。

それ以来の公式戦だった川崎F戦では、持ち前の技術を生かしながらボールをさばき復調を証明。今節の横浜FC戦は「攻撃で自分の持ち味を出し、得点、アシストしたい。守備はまだまだ迷惑をかけることが多いが、しっかり戦ってホーム初勝利したい」と話す。

同じ利き足が左でボランチのMF松下佳貴(26)から大きな刺激を受ける。「佳貴君のプレーは見るだけで学べるところがたくさんある。あの人を超えられるようになりたい」。9月23日に20歳の誕生日を迎え、決意新たに戦う。「もっと試合に出場してレギュラーにならないといけない。チームとしても難しい状況だが、残りの試合を勝てるように一丸でやっていきたい」。若きレフティーが本領を発揮する。【山田愛斗】