来日3年目のヴィッセル神戸の主将、MFアンドレス・イニエスタ(36)が絶好調を続けている。

チームは前節10日の柏レイソル戦に敗れ、同一シーズンではクラブ記録に並ぶ12年ぶりの5連勝を逃したが、それでも最近は4勝1敗。通算8勝8分け8敗の10位で、上位をうかがう態勢を整えた。まさに主将の活躍が成績に直結している。

その直近5試合でのチームの総得点は15点で、イニエスタは実に13点に絡んでいる。現在3戦連続ゴール中の世界的スターは、うちPKで2試合連続ゴール中。決定力を含め、スルーパスを出してよし、カウンターの起点になってよし。守備でも競り負けない強さを発揮している。

夏場は右足首の負傷で5試合連続欠場したにもかかわらず、今季は既に18試合4得点で、昨季の6得点を上回りそうな勢いだ。中2、3日の強行軍が続きながら直近は7試合連続先発、しかもフルタイム出場中。時間の経過とともに、体調が上向いているのが分かる。

イニエスタ本人、体調管理を行うスタッフ、三浦淳寛監督(46)の3者が、常に意思疎通を図って出場の確認をとっている。だから出た以上は満点に近いプレーをする。来日後、今が最も充実しているかもしれない。

9月19日の名古屋グランパス戦を最後に退任したフィンク監督は「イニエスタのフィットネスに不安がある」と、右足首の故障後は起用に神経をとがらせていた。同26日の北海道コンサドーレ札幌戦から指揮を執る三浦監督は、全幅の信頼を置きピッチに送りだしている。指揮官は13日、神戸市内での練習後、オンラインで取材に応じた。

「(イニエスタは)どこかのタイミングで休ませるかもしれないが、今はメンタルが充実している。やりがいを持ってプレーしており、1分でも長くプレーしている方が、さらに状態が上がっていく。彼の最近の活躍には頭が下がる。彼を中心に得点やチャンスが生まれている」

神戸はホーム4連勝を懸け、14日はノエスタに12位の大分トリニータを迎え入れる。イニエスタの8試合連続先発は確実だ。「僕は異常なほどの負けず嫌い」という三浦監督は、前節で就任後初めて黒星を味わい、闘志にさらに火が付いたようだ。あくまでイニエスタを軸にしたメンバー構成で上位を狙う。【横田和幸】