Jリーグは4日、7日に予定されていたルヴァン杯決勝の柏レイソル-FC東京戦を延期すると発表した。

柏はネルシーニョ監督(70)ら3人が新型コロナウイルス陽性を発表していたがこの日、新たに選手2人、トップチームスタッフ8人の陽性が判明。合計13人の陽性で保健所からクラスターと判断された。Jリーグは両クラブと協議の上、試合開催が困難だと判断した。今後、代替日を設定する。

   ◇   ◇   ◇

柏の感染状況は深刻だった。今月1日に選手1人の陽性、3日にネルシーニョ監督とスタッフ1人の陽性が明らかになり、クラブでは3日に選手38人、チームスタッフ17人、フロントスタッフ14人、関係者13人の計82人にPCR検査を実施していた。そこへ新たに選手2人、チームスタッフ8人の陽性が判明した。クラブから合計13人の陽性者が出たことで、Jリーグと両クラブ、専門家を交えて協議の上、最終的に決勝の延期を決めた。

リーグでは14人以上の登録で試合開催は可能としている。柏では濃厚接触者の隔離と負傷者を考慮すると、7日の決勝で規定の選手登録がギリギリであること、濃厚接触者の特定が5日で7日の決勝までの選手登録が安全な形できるかも含め、開催は難しいと判断。村井チェアマンは「13人の感染経路が特定できていない。3日後に迫る決勝の開催はリスクが大きいと判断した。両クラブと協議し、万全の体制でできるよう再度日程調整を行っていく」と話した。

東京は11月下旬からアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)を控えている。村井チェアマンは、代替日程について両クラブからヒアリングし、リーグが決めるとした。ACL期間中と帰国直後の待機期間の開催は困難との認識を示し、「年明けの可能性もある」と明かした。会場も国立競技場にこだわることなく、日程と会場の両面をにらみ代替日程を設定する。ルヴァン杯の決勝の延期は今回が初めて。コロナに翻弄(ほんろう)される2020年、大きな難題を抱えた村井チェアマンは「何としても決勝は行いたい」と強い覚悟を口にした。

◆ルヴァン杯 Jリーグ主催のカップ戦で、J1リーグ戦、天皇杯と並ぶ国内3大タイトルの1つ。第1回はリーグ戦開幕前の92年で、95年だけ開催されず、今年が28回目。16年6月にナビスコ杯から改称。最多優勝は鹿島で6度。今年は1次リーグの各組1位と2位のうち成績上位1チーム、ACLに出場している横浜、神戸、東京の計8チームが準々決勝に進み、決勝まで1試合制のトーナメントで争っている。優勝賞金は1億5000万円から7500万円に減額。