7人のJリーグ内定選手を擁する桐蔭横浜大(関東第4代表)が、大体大(関西第1代表)に競り勝ち、2回戦進出を決めた。同大会は、新型コロナウイルスの影響で中止となった全日本大学サッカー選手権(インカレ)の代替大会。1回戦から強豪同士の激突となり、前半は拮抗(きっこう)した展開となったが、後半20分、桐蔭横浜大が2年生FW山田新のゴールで先制し、そのまま逃げ切った。

桐蔭横浜大は19年のインカレで準優勝。OBにはJリーグのベストイレブンに選ばれた川崎フロンターレDF山根視来がいる。インカレ準優勝の中心メンバーだった現在の4年生は、MF橘田健人が川崎フロンターレ、背番号「10」のMF鳥海芳樹がJ2ヴァンフォーレ甲府、FW松本幹太がJ2モンテディオ山形、主将のDF遠藤凌がJ2アルビレックス新潟、MF神垣陸がJ2レノファ山口、DF岩下航がJ3ロアッソ熊本、MF加々美登生がJ3いわてグルージャ盛岡に加入が内定した。

安武亨監督は7人のプロ輩出に「これだけの人数は初めて」と目を細め「岩下は前橋育英高校時代はサブが多かった。遠藤も2年生までは試合に絡んでいなかった。その中でみんながよく伸びた」と4年間の成長をたたえた。

躍進の裏には川崎Fに加入した先輩のDFイサカ・ゼインの存在が大きい。イサカは川崎Fの練習に参加した際、パススピード、トラップやキックの質の高さを目の当たりにし、大学に戻ってもチームメートに質への意識を植え付けてきた。橘田は「去年からイサカさんが、練習から高い意識でやるとずっと言ってきていて、それが習慣になっていた。普段からレベルが高い中で練習できている。自分が1、2年のころから練習の雰囲気、質も違う」と胸を張る。橘田も川崎Fの練習に参加し、王者の練習の質を体感。「プレッシャーのスピードも違う。だからこそ、普段の練習から意識した」と、大学のサッカー部にもその経験を還元してきた。

橘田は「最後、決勝の舞台で今年は勝てれば」と意欲を見せ、王者チームでプロの第1歩を踏み出すことに「実力的にはまだまだ足りない。日本を代表する選手がたくさんいるので、いろんな選手から吸収して、少しでも早く試合に出たい」と目標を掲げた。【岩田千代巳】