北海道育ちの新人Jリーガーが新天地で躍動する。甲南大からJ2・ファジアーノ岡山入りしたMF木村太哉(たかや、22=札幌大谷)は、1月のアタリマエニ杯で3戦2得点を挙げ、チーム初の全国8強に導いた実績を引っ提げプロでの飛躍を目指す。J2・FC琉球入りした北斗市出身のMF沢田将(17)は、小学6年の15年から5年間、スペイン留学を経験。海外で培ったハングリー魂を、次の舞台で生かす。

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甲南大を全国8強に躍進させた木村が、今度は岡山のJ1昇格を目指し突き進む。1月16日からチームに合流し、沖縄と宮崎でのキャンプに参加。28日の開幕、アウェー栃木SC戦に向け岡山県内で調整中だ。「プロはワンプレーにかける思いが違ってくる。まずは技術面を貪欲に吸収して、開幕戦から試合に絡みたい」と気を引き締めた。

高校、大学と歴史を塗り替えてきた。札幌大谷2年時は、全国選手権道予選決勝に途中出場し決勝弾。全国大会は右MFで出場し、同校初の選手権1勝に貢献した。甲南大では3年時に関西学生リーグ2部A優勝に尽力し、1部昇格初年度の昨年は主将として10戦5得点。3位に導いた。1月の全国大会も日本文理大との初戦、2回戦の北海道教大岩見沢戦と2戦連発で初の全国8強。「“持っている”というか、そういう流れの中にいるのは感じる。力をつけて、今度は岡山初のJ1昇格のため活躍したい」と前を向いた。

札幌大谷ではFC東京の下部組織で元日本代表FW武藤嘉紀(28=エイバル)らを育てた田部学監督(46)、大学では元ヴィッセル神戸DFの柳川雅樹監督(33)のもと、力をつけた。「高校では気持ちの強さ、大学では自分の武器である1対1の仕掛けを、どう戦術に落とし込むかを学べた」。心技両面で培ってきた部分を、さらなる進化に生かしていく。

母校札幌大谷は昨年末、5年ぶりに全国選手権に出場。初戦で敗れたが、後輩たちの奮闘は常に気にかけている。「後輩が全国に出ることで、自分も勇気づけられる。今度は僕自身がプロで通用することを証明し、母校への恩返しにしたい」。1日でも早くJで活躍する姿を見せ、後輩たちに夢を与える。【永野高輔】