J1ベガルタ仙台MF関口訓充(35)が大分トリニータに勝利した19年11月30日以来、462日ぶりのホーム白星へ先頭に立つ。6日のJ1王者川崎フロンターレ戦(ユアテックスタジアム仙台)に向けて4日は仙台市内で非公開(冒頭のみ公開)調整。東日本大震災が発生した11年はリーグ2戦目で川崎Fを撃破して弾みをつけると、4位でフィニッシュした。震災から10年の節目で同じ「2戦目」のシチュエーション。当時もピッチに立っていた背番号「7」が再現を狙う。

前節2月27日の広島戦は前半にDFシマオ・マテが一発退場する試練のスタートだった。それでも0-1の後半45分、関口のシュートのこぼれ球をFW赤崎が押し込み、同点とした。「10人でも去年の中位クラスの広島に追いつけたのは自分たちの力を信じていい部分だし、しっかりチームとして戦えば、どんな相手でも戦えると証明した試合だと思う」。関口は相手との接触で額から流血も90分間プレー。諦めない気持ちを勝ち点1獲得につなげた。

11年も主力として30試合に出場した。震災後リーグ再開初戦だった同年4月23日のアウェー川崎F戦で先発し、2-1での劇的な逆転勝利に貢献。「10年前のあの試合もはっきり記憶に残ってますし、1つ1つの得点の部分、最後の逆転につながったゴールも記憶に残っている。あの試合に関しては自分の中で一番の試合だと思っています」と胸に刻まれる大一番だった。

いよいよホーム開幕戦。昨季はユアスタで年間未勝利と不名誉記録を残した。「勝てなかった悔しさは持ち続けていますし、王者川崎が相手だろうが、自分たちのホームなので、好き勝手やらせないように戦いたい」。昨季17位がJ1王者撃破-。10年前の劇的勝利を知る関口が大金星への原動力になる。【山田愛斗】