開幕から極度の不振が続いていたG大阪は14日、就任4年目だった宮本恒靖監督(44)の契約解除を発表した。

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記者の認識では宮本監督の解任の境界線は、開幕15試合前後だと思っていた。成績不振に陥ったG大阪の事情で18年途中に監督就任を行い、しかも就任後の成績は右肩上がり。「ツネ様」と呼ばれた現役時代の貢献度を含め、クラブの宝はそう簡単に切れないと思っていた。

だが、クラブは「10試合を消化した段階で、チーム状況が改善することは難しいという判断をした」(小野社長)。試合を重ねるにつれ、攻撃は淡泊になった。2連敗した12日の広島戦後、確かに選手の表情から悔しさを読み取ることができなかった。求心力の限界だったのかもしれない。

宮本監督は元来、口数が多い指導者ではない。今季は攻撃陣にブラジル人3選手が加わり、より意思疎通が重要だったが、どんなサッカーをしていいのか戸惑う選手の姿があった。今オフには山口智コーチ(現湘南)が退団し、監督に意見を言う存在がいなくなったことを危ぶむ声もあった。

それらのひずみが、極度の成績不振につながったのかもしれない。2度目のJ2降格は避けなければいけない。クラブの力量が試されている。【横田和幸編集委員】