セレッソ大阪の新加入助っ人、オーストラリア代表FWアダム・タガート(27)が、後半開始から途中出場し、出場2試合目で最長の45分間プレーした。シュートは記録できず、試合も敗れたが、収穫はあった。

後半8分には右サイドのDF松田陸からの高速クロスに右足を出したが、わずかに合わなかった。同16分にはMF奥埜へ絶妙のスルーパスも供給。鹿島DF町田の厳しい守備に苦しんだ場面もあったが、最終ラインへの抜けだしなど、万能ストライカーの実力を徐々に見せ始めた。

「裏への動きだしでゴールを取ることを指示され、何度かいいチャンスはあったのに、決めきれなかったのが残念。自分の今の状態を何%かと言うのは難しいが、徐々に状態は上がってきている。どんどん試合に出られると思うので、貢献できるように頑張りたい」

政府による入国制限でチーム合流が遅れた。2日の大阪ダービーで途中から来日初出場を飾り、この日が4試合ぶりで通算2度目の出場だった。

レビークルピ監督は「タガートは持ち味をだそうと頑張った。彼らしさも見られた。今後は試合を重ねてもっとよくなる」と太鼓判を押す。初先発の機会もいずれ、訪れそうだ。

「今日は何回か、いいプレーがあった。大久保とは練習でもいい連係ができていて、他の選手ともよくしていきたい。下を向かず、どんどん練習して攻撃を強化していきたい」とタガートも前向きだ。

183センチ、69キロとバランスの取れた体格で、オーストラリア代表として14年ワールドカップ(W杯)ブラジル大会で2試合に出場。最近1年半ほど、新型コロナの影響で代表活動が中断されていたが、W杯アジア2次予選の代表に招集が決まったばかりだ。

C大阪は最近9試合で1勝3分け5敗と、チーム状況は悪い。一時は上位争いしていたが、この日を終えて10位と下位集団に吸収される可能性もある。韓国Kリーグでも得点王を獲得した実力で、大久保とともに夏以降の救世主となれるか。【横田和幸】