北海道コンサドーレ札幌は柏を2-1で下し、2試合ぶりの勝利を挙げた。1-1の前半40分、今季加入のDF岡村大八(24)がJ1初得点となる決勝ゴールを奪った。JFL、J3、J2と全カテゴリーでのプレー経験がある若武者の待望の1発で、リーグ中断前の5月ラストマッチを白星で飾った。通算6勝4分け6敗の勝ち点22で、暫定10位に浮上した。

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岡村が待望の1発だ。同点に追いつかれた5分後、前半40分だった。右CKからのこぼれ球に反応した。「何か起これ」と相手GKとDFの間をめがけて左足を蹴り込んだ。相手DFに当たりながらゴールに吸い込まれた。J1出場10試合目で刻んだ得点。「チームのみんなからはオウンゴールと言われたけど、どんな形でもゴールはゴール。素直に喜びたい」とさわやかに笑った。

一時はオフサイドによるノーゴール判定。札幌ベンチからも思わず抗議の声が上がる中、VARの結果を待った。認められて、ひと安心。結果的に決勝ゴールとなり、6試合ぶり、リーグ戦3試合目の先発起用に応えた。

プロを意識したのは立正大時代。栄養を調べながら自炊した食事と筋トレで8キロ増量し、現在の武器の1つでもあるフィジカルを築いた。19年にJFL宮崎でプレーした時、仕事とプレーを両立するチームメートの姿を見て、意識も変えた。練習以外の時間も無駄に過ごさないよう、読書を始めるなど、常にサッカー選手としての成長を意識してきた。J2群馬から移籍の今季、J1初挑戦に「一番高いレベルでやれる機会。どこまで通用するか」と、トライを続けている。

中2日での連戦で巡ってきた先発のチャンスで結果を残し、勝ち点3をもたらした。守備陣としても失点はPKのみで後半は無失点。逃げ切り勝ちに貢献し「やりたいことがだんだん実を結んで勝利を呼び込めている」と手応えをつかむ。新戦力がリーグ中断明けも、存在感を発揮する。【保坂果那】

▽ペトロビッチ監督 「フレッシュな選手が入った中、チーム全体でよく戦えた。新加入選手が底上げしてくれることが、いいものをもたらしてくれる」

▽札幌加入後リーグ戦初先発で先制点をアシストしたMF青木 「冷静に出せて良かった。(自身初得点へ)いい崩しでチャンスもあったが狙い過ぎた」