北海道コンサドーレ札幌は、MF青木亮太(25)がJ1初ゴールを含む2得点を挙げ、FC東京に3-2で逆転勝利した。

1-2の後半4分に同点弾、同19分に勝ち越しゴールを決め、今季2度目の2連勝に導いた。名古屋から今季加入のMFが、3戦ぶりの先発起用に応える2発で、チームは8位に浮上した。

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ヒーローインタビューの青木は笑顔だった。「うれしい気持ちでいっぱいです」と安堵(あんど)した表情を見せた。プロ8年目。カップ戦、J2での得点はあっても、J1通算40試合目でついに決めたゴールに喜びもひとしおだ。「全然Jリーグで点に絡むことができなかったので、ここで勝利と同時に得点を決められて良かった」と振り返った。

撃ち合いを制した。開始2分で先制を許すも、前半41分にFW小柏の2戦連発で追いつき、同45分にまたビハインド。取って取られての展開も、後半、青木の右足がさえた。立ち上がりに小柏からのダイレクトパスを押し込み2度目の同点。同19分、FWジェイが胸でゴール前に送ったボールに反応。飛び出す相手GKを確認し、ループシュートでゴールラインを割って勝利を決めた。

相手をパスで崩しての得点に「札幌のいい形が出たなと思う」。ペトロビッチ監督(63)も「我々のチームに入ってから、我々のサッカーを少しずつ学んでくれたと思うし、そういう中で学んだことが今日の試合に出たと思う」とうなずいた。

2得点とも、DF福森のロングフィードがゴールにつながったが、ピッチ外でも息の合った“プレー”をしている。今季札幌に加入した青木は「今まで全然やってこなかった」というゲームに初めて夢中になった。チーム内にはゲーム好きが多い。親交を深めるツールにもなり「やってみようかな」と始めた。そのゲーム仲間の1人で、バトルロイヤルゲームで対戦するのが福森だ。「福森選手のパスも正確で、いいボールが来た」と青木。ピッチでもナイスデュオぶりを発揮した。

負傷で別メニューのMFチャナティップに代わって先発し、仕事を果たした。14年に名古屋からプロキャリアスタートも、15年、18年の左膝の大ケガによる長期離脱を経験した苦労人。「自分たちのサッカーを練習からしっかりやって、連勝できるようにやっていけたら」。次節で狙う今季初の3連勝に向け、気持ちを高めていた。【保坂果那】

◆青木の今季得点 ルヴァン杯2得点、天皇杯1得点。移籍後の初ゴールは5月5日、ルヴァン杯1次リーグ鳥栖戦(札幌ドーム)の後半14分、右足で決めた。6月6日、横浜との同杯プレーオフ第1戦(札幌厚別)では先制ゴール。7月7日の天皇杯3回戦(対J2長崎、トラスタ)では途中出場で得点を奪った。ここまでゾロ目の月日に得点してきたが、今回が初のゾロ目の月日以外の得点。なお、8月8日、9月9日は試合がなく、ルヴァン杯で勝ち上がった場合、準決勝の第2戦が10月10日に予定されている。