セレッソ大阪は26日、成績不振によりレビークルピ監督(68)とマテル・コーチ(70=ともにブラジル)の契約を双方合意で解除し、後任監督に小菊昭雄コーチ(46)の就任を発表した。新監督はJリーグの選手経験もなく、今回が初の監督挑戦という変わり種。クラブOBで元日本代表MF乾貴士(33=無所属)や香川真司(32=PAOK)との信頼関係もあり、2人のC大阪復帰に影響を与える可能性もある。

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小菊新監督の誕生はJリーグに新風を巻き込むかもしれない。滝川二時代は全国高校選手権にMF登録も出番なし。愛知学院大卒業直前の98年2月、C大阪下部組織のコーチにアルバイト採用され、半年の試用期間後に社員に。以後はクラブ一筋で06年以降の計約15年間はトップチームでコーチを務めてきた。Jリーグで選手経験もなく、今回が初の監督挑戦という変わり種だ。

この日午後、初練習で指揮した新監督は「今回の交代は監督1人の責任ではなく、コーチとしてサポートできなかった自分にも責任がある」とし「これまでの経験、知識、強みを生かし、自分を育ててくれたクラブに全力で還元したい」と決意表明した。

尹晶煥、ロティーナら歴代監督の下で帝王学を習い、どんな選手とも平等に意思疎通を図ってきた。周囲が声をそろえる“超まじめな性格”で人望がある。スカウト時代に発掘した香川や、今夏にC大阪が復帰要請をした乾とも師弟関係を築き、今回の就任が2人のレジェンドにクラブ復帰を促す引き金になる可能性はある。

現在12位のC大阪は、J2降格圏の17位徳島と勝ち点7差の状況にある。森島社長から「変化をもたらす必要がある」と期待され、28日の大阪ダービーで初陣を迎える。12年天皇杯と今季のJ1で代行指揮は計4試合経験した。川崎Fのような攻撃的サッカーを理想とする小菊セレッソが、出陣する。【横田和幸】

◆今季のJ1監督 今季のJ1で日本人監督は12人。そのうち元Jリーガー監督は8人。日本リーグ時代にリーグ戦の出場経験がある監督も3人おり、日本のトップリーグ(2部含む)でプレー経験がないのは、新たにC大阪の監督に就任した小菊監督だけ。

◆小菊昭雄(こぎく・あきお)1975年(昭50)7月7日、神戸市生まれ。滝川二高、愛知学院大を経て、98年C大阪下部組織のコーチに就任。スカウト時代の05年に当時高2の香川真司を入団させ、06年以後は主にトップチームでコーチを務める。家族は夫人と1男。